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脳卒中のこと

2024.06.22

【医師が解説】脊髄梗塞ってどんな病気?

脊髄梗塞は、脳から繋がる”脊髄”という重要な神経への血流がなくなってしまう病気です。血流がなくなることで、脊髄自体が損傷を受けてしまいます。脊髄は、脳からの指令を身体の各部署に伝える重要な経路であるため、脊髄への血流が阻害されてしまうと、感覚や運動機能に問題が起きるのです。

【医師が解説】脊髄梗塞ってどんな病気?

脊髄梗塞の原因

脊髄梗塞の主な原因には以下のようなものがあります
<動脈硬化>
動脈硬化があると脊髄を栄養する動脈が硬くなったり、血管が狭くなったりします。そのような状態の中で次第に血管が詰まったり、血栓によって突然血管が詰まったりすると脊髄梗塞を発症します。

<外傷>
脊椎への外傷により、脊髄への血流が遮断されることがあります。

<動脈瘤>
血管にできた動脈瘤が破裂することで脊髄への血流を妨げることがあります。

<医原性>
外科手術やカテーテル治療などの合併症として、意図しない血流障害が発生することがあります。

<炎症性疾患>
血管炎や多発性硬化症など、全身の血管に影響を与えるような炎症性の自己免疫疾患が原因となることもあります。

脊髄梗塞の疫学

脊髄梗塞は比較的稀な疾患です。発症率は人口10万人あたり約1人とされ、男女差はほとんどありません。発症する年齢の分布は広く、特に中高年層に多いです。原因やリスクファクターとしては、前述のようなものに加えて、高血圧、糖尿病、喫煙、コレステロール値の高い人などが挙げられます。

脊髄梗塞の症状

脊髄梗塞の症状は、血流が途絶えてしまう、脊髄の部位と範囲によって異なります。一般的によくみられる症状には以下のようなものがあります。

◉背中や首の痛み
: 多くの場合、突然の激しい痛みが最初の症状です。

◉感覚障害
: 痺れや麻痺が発生します。具体的には、「熱い」「冷たい」などの温度感覚の消失、「何かに触れている」ことを感じる触覚の低下、「痛み」を感じる痛覚の消失などがあります。

◉運動障害
: 麻痺や筋力低下が見られます。歩行困難になったり、立ち上がることができない状態になったりします。

◉排尿・排便障害
: 尿・便のコントロールができなくなり、失禁してしまうことがあります。

◉異常反射
:脊髄に損傷がある時のみにみられるような病的な反射が出現したり、正常の人にはみられる反射が消失してしまうことがあります。

症状の重さは、損傷を受けた脊髄の範囲や部位により異なります。損傷が大きい場合は、広範な麻痺や重度の感覚障害が見られることがあります。

脊髄梗塞の診断

【医師が解説】脊髄梗塞ってどんな病気?

脊髄梗塞の診断には、以下のような方法を用います。

<問診・身体診察>
身体の異常を感じるに至った経緯や、現在の自覚症状などを聴取します。また、患者さんが自覚している症状についてのみ身体検査を行うのではなく、異常反射など患者さんが気づいていないような所見を把握することも重要です。

<病歴聴取>
糖尿病や高血圧など、脊髄梗塞のリスクとなり得るような過去の病気や現在治療中の病気などを詳細に聴取します。

<画像診断>
MRIやCTなどの画像検査を行うことで脊髄の状態を確認します。特にMRIは、脊髄梗塞を診断する上で非常に有用です。

<脳脊髄液検査>
脳脊髄液を採取し、分析すること感染症の有無や炎症の程度を確認できます。脳脊髄液の採取には腰椎穿刺といって、背中から細くて長い針を刺す必要があるため、身体への負担のかかるやや侵襲的な検査です。

<血管造影>
血管をより鮮明に描出するために造影剤を使用することで、脊髄への栄養を供給する血管の状態を調べることができます。

脊髄梗塞の治療方法

脊髄梗塞の治療は、早期発見と迅速な対応が重要です。治療法には以下のようなものがあります。

内科的治療

◉血栓溶解療法:
血の塊である血栓が血管を詰まらせる原因となっていることがわかった場合、できるだけ早期に血栓を溶かす薬(例:t-PA)などを使用します。

◉抗血小板薬・抗凝固薬
: 血液をサラサラにする薬剤(例:アスピリン、ヘパリン)を使用し、脊髄梗塞の範囲が広がることを防いだり、再発を予防したりします。

◉ステロイド
: 脊髄の炎症を抑えるために副腎皮質ホルモンであるステロイドが使用されることがあります。

外科的治療

◉血管手術
:詰まった箇所の血流を再開させるための手術が行われることがあります。

◉動脈瘤の修復
: 動脈瘤が原因の場合、修復する手術が必要となります。

リハビリテーション

脊髄梗塞により生じた各症状に対して、それらを改善するためのリハビリテーションを行うこともあります。リハビリテーションは、患者の生活の質を向上させるために重要な役割を果たします。
◉理学療法
: 筋力強化や関節可動域の獲得、運動機能の回復などを目的に行います。

◉作業療法
: 日常生活の中で必要な細やかな動作を改善するための訓練を行います。

◉言語療法
: 梗塞が起きる部位によっては、言語や嚥下機能も低下することがあるため、それらの訓練が行われます。

脊髄梗塞の予後

脊髄梗塞の予後は、早期の診断と治療が鍵となります。回復の程度は、発症時の脊髄の損傷の範囲や原因によって異なります。
◉急性期の対応
:発症後すぐに適切な治療を行うことが、後遺症の軽減にとっては重要です。

◉長期的なリハビリ
: 脊髄梗塞後にすぐに元通りの状態には戻らないため、継続的なリハビリが必要です。特に根気強く理学療法と作業療法を継続することが重要です。

◉支援と環境調整
: ご本人の頑張りだけでなく、家族や介護者のサポート、生活環境の改善・調整などが必要です。

脊髄梗塞の予防

脊髄梗塞の予防には、生活習慣病の予防・治療が最も効果的です。以下のようなことは言われれば当たり前のことのように感じるのですが、実際に実践できている人は少ないかもしれません。
◉健康的な生活習慣
:規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動が重要です。

◉定期的な健康診断
: 高血圧や糖尿病などのリスクファクターを早期に発見し、管理することが重要です。

◉禁煙
: 喫煙は動脈硬化の主要なリスクファクターですので、禁煙が推奨されます。

◉ストレス管理
: ストレスは心血管疾患のリスクを高めるため、適切なストレス管理が必要です。

結論

脊髄梗塞は、脊髄への血流が遮断されることで生じる重篤な疾患です。早期の診断と治療が予後を大きく左右します。脊髄梗塞が起きた原因を特定し、適切な治療を行い、リハビリテーションを継続することが、脊髄梗塞を発症された患者さんの生活の質を向上させる鍵となります。また、予防策としては、動脈硬化を防ぐための健康的な生活習慣の維持が何よりも重要なのです。

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