利用者の声
2025.10.13
事例紹介 40代男性 脳梗塞

「左手がまた使えるようになりたい」
脳梗塞からの挑戦と、創発的な回復の軌跡
目次
40代、突然の脳梗塞
20〷年X月。
40代のA様は、突如として脳梗塞を発症し、左片麻痺となりました。
その日を境に、これまで意識せずにできていた日常動作が、思い通りにいかなくなりました。
「やっぱり手が使えないのは不便なんですよ」
「少しでもいいから、使えるようになりたい」
そう語るA様の言葉には、機能の回復を越えた「生活を取り戻したい」という強い思いが込められていました。
私たちは“ただ動く”ことではなく“その人らしく生きる”ことをゴールに、リハビリをともに進めていくことを決意しました。
リハビリ前の状態
A様は入院・転院でのリハビリを経て、現在は
- デイケア(週2回)
- 訪問リハビリ(週1回)
- リハビリZONE岐阜での自費リハビリ(週2回)
を並行して継続されています。
当初のリハビリ評価では以下のような状態が見られました。
- 左上肢機能:感覚入力が乏しく、「重たいだけのもの」として認識
- 手指機能:屈曲・伸展ともに実用には至らず
- 注意障害傾向:物の見落とし、空間の認知不安定
- 歩行機能:杖+シューホーンを使用。膝折れの恐怖感が強い
多角的なアプローチ:身体・脳・心に働きかける
私たちが目指したのは「動かす」だけでなく「使える」ようになること。
そのために、以下のような多角的なアプローチを重ねました。
身体への働きかけ
- 感覚入力の促進(素材識別・スポンジなど)
- EMS(電気刺激)やHAL(ロボット装具)による運動誘導
- 肘・肩・手指の複合的な関節運動
脳への働きかけ
- 空間認知・身体図式の再構築
- 注意機能への介入(線分二等分・TMTなど)
- 「動かす意図」と「身体操作」の接続支援
行為への橋渡し
- 食器を持つ、ジッパーを上げる、車のドアを閉めるなど具体的な動作練習
- 「なんとなくできた」から「こうすればできる!」への構造化・言語化
日々の積み重ねが「できる」を育てる
リハビリを続ける中で、次第にさまざまな“できた”が積み重なっていきました。
- 積み木やお手玉を操作できるように
- 麻痺側の手で車のドアを閉める
- スクワットやキャッチボールの動作も可能に
- 握る → つまむ動作へとステップアップ
- 表面素材の識別率も徐々に向上
これらの経験が「やればできる」という自己効力感を高め、
A様自身の表情や言葉にも前向きな変化が見られるようになりました。
今後の目標:創発的な行為の再構築へ
A様のような右脳損傷による左片麻痺では、
「意識すれば動くが、無意識では使わない」という状態がよく見られます。
これは、右脳の“ボトムアップ注意”が損なわれることで、
無意識で外部に反応し、身体を動かすことが難しくなるためです。
だからこそ、今後は以下のような方向性が重要です。
- 生活場面で自然に使う機会の増加
- 筋緊張の調整と柔軟な運動
- 感覚と空間認知の回復を通じた“行為の選択”
私たちは、A様が“自ら選んで動く”“やってみる”ことができる環境を整え、
日常生活の中で「その人らしい表現」を再び取り戻せるよう支援していきます。
チームでつなぐリハビリの“線”
訪問リハビリのセラピストの方には、
リハビリZONE岐阜での内容と、今後必要な思考プロセス、課題を文書で必要に応じて共有しています。
一人の利用者さんを「点」ではなく「線」として関わるために、
関係者全員が同じ視点と目標を持つことが重要です。
私たちの役割は、リハビリの“リーダー”として、
専門職がつながり合いながら支援の質を高めることだと感じています。
おわりに
回復とは、単なる機能の復元ではなく、
「またやってみたい」と思える自分自身を取り戻すこと。
A様の挑戦は、これからも続きます。
私たちもその一歩一歩に伴走しながら、
“できるようになった”の先にある“やりたいことができる人生”を
共に創っていきたいと思います。

リハビリZONE岐阜では、『今よりもっと楽しい未来へ』を合言葉に、最先端の機器と専門的な技術・知識を駆使してあなたの回復を最大限サポートいたします。
リハビリは 「できることを増やし、次の目標に向かう挑戦の連続」 でもあります。私たちは、利用者様が 「もう変わらない」「限界かな」 と諦めるのではなく、「もっと良くなる」 という前向きな気持ちでリハビリに取り組めるよう、全力でサポートしていきます。
是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。
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