リハビリのこと
2023.09.21
【理学療法士が解説】自分の足で歩きたい!歩くために大切な3つの要素とは?
「歩く」ために歩行練習!
…のその前に。歩くために必要な機能とは?
リハビリZONE岐阜の理学療法士、長屋です。この記事では普段当たり前のようにしている「歩く」ということにフォーカスして解説したいと思います。
「”歩く”という言葉を映像としてイメージしてください」と言われると、多くの方は2本の足で立って歩く姿が頭に思い浮かぶと思います。病院から退院する、怪我からの復帰、障害の回復、赤ちゃんが歩くetc… 特にリハビリという分野で「歩く」というキーワードが出る時、その先には「自分の二本の足で歩く」という動作、行為が必ず関係してきます。私たちが日々当たり前のように行い、でもいつかは当たり前のようにはできなくなる「歩く」という動作。それは病気や障害によって突然にできなくなるだけでなく、加齢や体力の低下によっても徐々にできなくなることもあります。今回は「自分の足で歩く」ために必要となる3つの要素について解説していきたいと思います。
目次
「歩く」って何?
歩行の定義
「足(脚)による移動のうち比較的低速のものを言い、厳密にはどの瞬間も少なくともひとつの足が地面についたまま移動する動作」
当施設を訪れる利用者様の多くは「歩けるようになりたい」「もっと綺麗に、楽に歩けるようになりたい」「速く歩けるようになりたい」などといった目標をお持ちです。この場合の”歩けるようになる”とは、二本足で歩く二足歩行を指します。ご病気をされる前はそうだったのですから当然のことですよね。足を交互に踏み出し、両手をしっかり振り、前に進んでいく。歩くということは移動する、ということです。人が乗り物を使わずに自分自身の力で移動するには、歩くほかに「寝返り」「ずり這い」「四つ這い」などの動きがあり、これらは生まれてから成長の過程で自然に獲得していくものです。そして最後に「歩く」という、人としての移動運動の到達点に辿り着きます。ここに到達するには3つの要素が必要です。次で詳しく解説します。
「歩く」ために必要な3要素
①支える(支持・起き上がり)
②バランスをとる(姿勢の反応能)
③動かす(合目的的相運動)
以下に、それぞれについて説明します。
①支える(支持・起き上がり)
「歩く」ためには地球の重力に逆らって体を持ち上げ、背骨を伸ばして支え続けることが必要です。いわゆる「重心」といわれるものを移動させるために、足や手(前足)の上に背骨をしっかりと安定させてのせておくことが必要になってきます。「寝返り」「ずり這い」「四つ這い」などの移動運動においても、頭から骨盤とつながる身体の柱になる部分の支えがしっかりと出来ていないと、手足の上で正しく姿勢を保つことができず、振り出す側の手足の動きも行えなくなります。
②バランスをとる(姿勢の反応能)
体を支え保つためにはバランスをとる体の機能が必要です。皆さん座ったまま寝そうになってしまい首がカクッとなって起き上がったり、躓いて転びそうになった時に、とっさに足を踏み出して体勢を立て直したりした経験があるのではないでしょうか。これらの無意識の動作は反射(反応)呼ばれており、姿勢を保つために神経や筋肉に備わっている機能です。
③動かす(合目的的相運動)
歩く時にはバランスをとりながら、しっかりと支えを作って倒れない状況があることで、反対側の足を振り出すことができます。無理なく振り出された手足は支え側にまわり、リズム良く交互の足が入れ替わることで理想的な「歩行」が行われます。①②の状態が不十分な状態で動作を行おうとすれば、思うように動けないか、無理やり動けば転んでしまいます。ご病気や障害を受けることで、動かすための土台が失われていると本来の歩行ができなくなってしまうのです。
どうすれば維持できる?改善できる?
結論としては歩くための3要素を維持・改善することです。
「支える機能」、「バランスをとる機能」、「手足を振り出す機能」を向上させることで、「歩く」という動作を維持したり改善したりする事は可能です。しかし、ご病気や怪我によってこれらのうち1つでも失われてしまうと、当たり前にできると思っている「歩く」という動作が困難になってしまうのです。歩くための補助的な手段として杖を使う、歩行器を使う、義肢装具などを使う…など様々な方法がありますが、そちらの話はまたの機会に譲り今回はあくまで「歩く」ための基礎的な機能に絞って話を進めていきます。以下に「歩く」ことを維持・改善するための運動をご紹介します。
①支える(支持・起き上がり)
支える機能の改善には、身体の支えの中心となる頭、背骨、骨盤までがしっかりと連動して機能するようにする必要があります。体幹の支持性を向上するための運動です。
トレーニング❶
仰向けに寝て、背骨をしっかり伸ばして床につけた状態で、手足を持ち上げます。写真のような姿勢で30秒保持します。これを3セット行うところから始めましょう。
単純に寝返り動作を繰り返すだけのトレーニングも効果的ですので是非試してみてください。トレーニングの詳しいやり方や、トレーニングの際に注意する点についての解説はリハビリZONEチャンネルでご紹介していますので、是非ご覧になってください。
支持性を向上するためのトレーニング①
支持性を向上するためのトレーニング②
②バランスをとる(姿勢の反応能)
支える機能できあがった状態で、背骨を手足の上でバランスよく支えます。
トレーニング❷-1
まずは四つ這いになり、手を左右交互に持ち上げます。10回を1セットして、まずは3セットから始めましょう。その時に体幹のバランスが崩れないようにすることがポイントです。
手を持ち上げるのが容易にできた方は、次のステップに進んでください。
トレーニング❷-②
今度は対角線(右手と左足、あるいは左手と右足)で手足を左右交互に持ち上げます。これも10回を1セットにして、合計3セットから始めましょう。
③動かす(合目的的相運動)
身体をしっかりと支え、バランスが整ったら最後の仕上げです。歩行に欠かせない手足の振り出しを作っていくトレーニングです。
トレーニング❸
横向きになり下側の手足で身体を支え、上側の手足を振り出します。
まとめ
今回は「歩く」ために必要な要素についてお話しをさせていただきました。ただ闇雲に歩こうとしても、準備ができていない身体では「歩く」ことが辛いと感じるはずです。リハビリで「歩く」練習をされることも多いかと思いますが、頑張らないと歩けない状態では長続きはしないでしょう。身体には大きな負担がかかり、最終的には歩くために逆効果な状態を招くことすらあります。
①支える(支持・起き上がり)
②バランスをとる(姿勢の反応能)
③動かす(合目的的相運動)
この3要素をじっくりと積み上げることで「歩く」身体に近づいていきます。頑張って「歩く」前に必要な機能を充実させることが重要だと考えます。リハビリZONE岐阜で行なっている「ボイタ法」はこの3要素を、皆さんの身体の中にある運動パターンを使って自動的に引き出していきます。優しく、じっくりと身体の特定部位に触れ続けることで、一歩ずつ目標へと近づけます。今まで受けてきたリハビリでは改善が見られなかった方も、身体の中で発揮できなくなっている力を引き出すことで、動きに変化が現れてくることと思います。リハビリ ZONE 岐阜では、幅広い方々を対象に姿勢・動作改善や身体機能改善を目的とした1対1の個別リハビリで、あなただけ の目標実現に向けてお手伝いいたします。病院を退院後でも適切なリハビリを継続する事で、精神的にも肉体的にも「今よりも良い状態」を実感する事が出来ます。自費リハビリに興味を持っていただいた方は是非体験にお越しください。
リハビリZONE岐阜では、『リハビリで笑顔を再生!!』を合言葉に、ボイタ法による施術とHAL®︎を用いた機能訓練を中心とした自費リハビリを行っております。これまでにリハビリで思うような結果が出ず諦めていた方、現在身体のことでお悩みのある方、もっとリハビリをしたいとお考えの方など、様々なニーズにお応えするための手段を多数ご用意しております。是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。
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