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2024.07.20

脳梗塞・脳出血後のリハビリに革命!? 世界初の装着型サイボーグ 「HAL®」とは?

脳梗塞・脳出血後のリハビリに革命!? 世界初の装着型サイボーグ 「HAL®」とは?皆さん、「HAL®」ってご存知ですか?装着型サイボーグHAL®は、サイバーダイン株式会社によって開発されたロボットスーツです。世界初の装着型サイボーグという標語が近未来的ですよね。ロボットスーツHAL®は、身体の動きに応じてアシストを行うことを目的とした装置で、主に医療や介護の分野で活用されています。

では、HAL®を装着してリハビリを行うとどのような効果に期待できるのでしょうか?今回はHAL®の原理を説明し、HAL®を装着してリハビリを行うことで期待できる効果について解説していきます。脳卒中を発症し、片麻痺症状が残り、手足が動かしにくい方や歩行、立ち上がり動作が行いにくい方に知っていただきたい内容となっていますのでぜひ最後までご覧になってください。
脳梗塞・脳出血後のリハビリに革命!? 世界初の装着型サイボーグ 「HAL®」とは?

HAL®の原理について

HAL®を装着して、リハビリを行うことで、身体の動きに応じてアシストしてくれます。身体動きに応じてアシストされることで、スムーズな立ち上がりが行えること、自分の思いに沿って手足を動かすことが可能になります。この「アシスト」ですが、どのような原理でアシストしてくれているのでしょうか?

体を動かすメカニズムとして、
①目で目標に対して動くことを認識し
②脳内でどのように体を動かすかを考え
③その動きを簡潔に処理した刺激が脊髄を通り
④末端の筋肉に動きを伝える

という流れがあります。脳から送られた信号を、それぞれの筋肉が受け取ることで、考えた動作に合わせて必要な力の分だけ筋肉を動かすことができます。脳から神経を介して送られた信号は、微弱な信号として、皮膚表面から漏れ出してきます。HAL®は独自に開発されたセンサーを皮膚に貼り付けることで、その微弱な信号を読み取ることができます。その他、様々な情報を組み合わせて、装着者がどのような動きがしたいかを、HAL®は認識しています。その認識した動作に合わせて、パワーユニットをコントロールします。それによって、装着者の意志に沿った動きをアシストし、普段より大きな力を発揮することが可能になります。これがHAL®の原理です。

HAL®がもたらす効果とは?

HAL®を装着して歩行訓練、関節運動を行うことで神経と神経、神経と筋肉の間のシナプス結合を調整・強化することが可能です。脳神経系と筋骨格系をつなげることで身体の機能改善を図っていきます。

脳梗塞や脳出血などで脳にダメージを負うことで身体を動かすための処理ができなくなる、または処理する速度が落ちることで身体が動かなくなる片麻痺の症状が出現します。また、物を触ったなどの感覚の処理ができないことで力加減ができなくなってしまい、力が入っているということを脳で処理できず、ずっと力が入りっぱなしになってしまうなどの症状もみられます。

そのため、HAL®は身体を動かすための脳神経系に働きかけることができるため、脳梗塞・脳出血を発症し片麻痺症状がある方に非常に有効なリハビリの手段なのです。
脳梗塞後の片麻痺症状を少しでも改善したい!リハビリ体験レポート

HAL®の適応について

HAL®は世界で初めて医療保険の適応が認められたロボット治療機器であり、日本では緩徐進行性の神経・筋疾患の8つの病気のみで保険適応が承認されています。

<HALが保険適応となる8つの疾患>

・筋萎縮性側索硬化症
・筋ジストロフィー
・脊髄性筋萎縮症
・球脊髄性筋萎縮症
・封入体筋炎
・先天性ミオパチー
・遠位性ミオパチー
・シャルコー・マリー・トゥース病

一般社団法人 日本脳卒中学会が監修している脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]というものがあります。このガイドラインですが、多くの論文や研究データをもとに最新のエビデンスを反映させた治療指針です。様々な治療に対し、A:行うように強く勧められる、B:行うように勧められている、C1:行うことを考慮して良いが、十分な科学的根拠がない、C2:科学的根拠がないので、勧められない、D:行わないように、勧められないの5つの推奨グレードに分類しております。その中でも、ロボットを用いたリハビリは推奨度Bとされており、行うように勧められています。

しかし、HAL®を導入している病院は全国で8.4%と1割に満たない状況にあります。(株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン レポート2022年6月13日)これには、リハビリロボット活用による病院への報酬要件と、リハビリ現場での使用実態にズレが生じていることが普及を阻んでいる可能性があります。

一方、自費リハビリ施設では、脳卒中後の片麻痺症状を呈した方に有効である点、リハビリの時間を十分に確保できる点から、HAL®を導入している施設が多くみられます。

3つのタイプのHAL®について

次に、HAL®の種類について説明します。HAL®は医療や福祉分野の動作支援や工場での重作業支援、災害現場での復興活動支援など幅広い分野で活用されています。HAL®は、大きく下肢タイプ、単関節タイプ、腰タイプに分けられます。

下肢タイプ

下肢タイプは、下肢に力が入らない、思うように動かせないなどの症状がある方や脚力が弱くなった方でも、自分の意思に合わせた下肢の動きをアシストしてくれるため、「立ちたい・歩きたい」といった思いに応える装着型サイボーグです。

単関節タイプ

単関節タイプは、肘、膝、足関節に装着できるコンパクトなパワーユニットで関節の曲げ伸ばし運動をアシストします。ベッドに寝たままの姿勢でも装着でき、各関節に対応できる集中的なトレーニングに特化した装着型サイボーグです。

腰タイプ

腰タイプは、足腰の弱った方などの体幹・下肢の運動をアシストします。腰部に装着して体幹動作や立ち座り動作を繰り返すことによって身体そのものの機能向上を促すことができます。

HAL®︎単関節タイプについて

次に、リハビリZONE岐阜でも導入しているHAL®単関節タイプについて詳しく説明していきます。単関節タイプという名の通り、肘、膝、足関節いずれかひとつの関節に装着することが可能です。

<HAL®単関節タイプの特徴>
小型のパワーユニットで関節に装着できるため、重量が1,500gと軽量で持ち運び可能です。そのため、訪問リハビリの際に持ち運び、家庭でHAL®を行うことができます。手のひらサイズのコントローラーでアシストの調整やスタート、ストップを手元で操作することができます。また、筋電図の波形を確認することができるため、波形の増幅や関節を曲げる、伸ばすなどの筋活動を確認しながら関節運動を行えます。アシストのモードも力を抜くと肘が伸びるなどのモードがあり、身体の症状に合わせた設定が可能です。

単関節タイプは、肘・膝・足関節に装着することが可能です。肘関節への使用では、肘の曲げ伸ばしの運動にアプローチすることができ、日常生活での食事、整容動作の改善に繋げられます。また、仰向けの状態で使用できるため、腕の筋緊張を抑制させた状態で関節運動を繰り返すことが可能です。膝関節への使用では、膝関節の曲げ伸ばしのアシストが可能であり、横になった状態、座った状態で膝関節の運動を繰り返します。膝関節の曲げ伸ばし動作が改善することで、立ち上がり動作や歩行動作に繋げることが可能です。足関節への使用では、足関節のつま先を上げる、踵を上げる運動をアシストすることが可能です。歩行動作でのつま先が地面に引っかかる、歩行中の蹴り出しが上手く行えないなどの問題にアプローチすることができます。
脳梗塞・脳出血後のリハビリに革命!? 世界初の装着型サイボーグ 「HAL®」とは?

HAL®を使用した改善事例

A様
症状:脳梗塞後遺症による左片麻痺
希望:左肘の曲げ伸ばしの動きを改善させて、服の脱ぎ着を楽に行えるようにしたい。

A様の状態として、片麻痺の影響で肘の曲げ伸ばしがスムーズに行えないといった症状がありました。そのため、服の袖に腕を通す動作や服を脱ぐ動作が行いづらいという悩みをお持ちでした。そこで、肘タイプのHAL®を装着し肘の曲げ伸ばし動作を行なっていきました。仰向けの状態で肘の曲げ伸ばしを行うことも可能ですが、服の着脱動作を想定して座位でリハビリを行なっていきました。最初は、肘を曲げる時に肩を一緒に動いてしまい、スムーズに肘の曲げ伸ばしを行うことが困難でした。HAL®での訓練を継続していくうちに左上肢の筋緊張コントールが改善し、更衣動作の改善に繋がりました。A様の声から、左上肢の動きが改善したことで、被り物の服を着ることができるようになったという感想をいただきました。
脳梗塞・脳出血後のリハビリに革命!? 世界初の装着型サイボーグ 「HAL®」とは?

B様
症状:脳梗塞後遺症による右片麻痺
悩み:歩行中、右脚に力が入ってしまい棒状に固めてしまうため、つま先が地面に引っかかってしまう。

B様の歩行中の特徴として、歩行中の膝の曲げ伸ばしの切り替えがスムーズに行えないために、脚を横に回しながら脚を振り出されていました。そのため、HAL®を膝関節に装着し横向きの状態で膝関節の曲げ伸ばしの運動を繰り返しました。HAL®のアシストの力を利用し膝を曲げる⇄伸ばす動作の切り返しを上手く行えるように訓練していきました。数ヶ月リハビリを行うことで歩行中における下肢の筋緊張コントロールが改善され、スムーズに膝の曲げ伸ばしが行えるようになりました。B様の声から、力を抜いた状態で歩くことができるようになったという感想をいただきました。
脳梗塞・脳出血後のリハビリに革命!? 世界初の装着型サイボーグ 「HAL®」とは?

まとめ

いかかでしたか?今回は、HAL®について説明いたしました。近年、HAL®を用いたリハビリの研究も進められており、医療現場におけるリハビリロボットの有用性が認められています。私自身初めて、HAL®を装着した時に衝撃を受けました。それは、肘を軽く曲げようとする、ほんの小さな力のみで肘がスムーズに曲がったためです。まさに「今までにない新感覚の体験」でした。HAL®に興味を持っておられる方に是非一度体験していただきたいです。リハビリZONE岐阜では、気軽にHAL®の説明や体験を受けることができます。YouTubeやホームページでもHAL®を用いたリハビリの様子や改善事例を随時紹介していきます。動画やブログが更新された際にチェックしてみてください。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

リハビリZONE岐阜では、『リハビリで笑顔を再生!!』を合言葉に、ボイタ法による施術とHAL®︎を用いた機能訓練を中心とした自費リハビリを行っております。これまでにリハビリで思うような結果が出ず諦めていた方、現在身体のことでお悩みのある方、もっとリハビリをしたいとお考えの方など、様々なニーズにお応えするための手段を多数ご用意しております。是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。

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