リハビリのこと
2025.11.23
脳卒中後の心理的サポート 〜その不安や焦りと向き合う〜
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こんにちは!リハビリZONE岐阜 理学療法士の松田裕之です。
リハビリテーションの過程において、身体機能の回復はもちろん重要ですが、それと同じくらい、ご本人の心理的な側面への配慮も極めて重要です。 なぜなら、回復への意欲(モチベーション)の維持が、リハビリテーションへの積極的な参加を促し、最終的な機能回復レベルに直結するためです。
しかし、脳卒中という突然の出来事の後、プロセスの中で「リハビリテーションの効果が目に見えて感じられない」「以前は好んでいた趣味への意欲が湧かない」「些細なことで涙が出るなど情動が不安定になる」といった不安や焦燥感、感情の制御に関する課題が生じることは稀ではありません。
今回は、こうしたリハビリ中の心理的な課題と、そのサポートについて解説します。

目次
不安や焦りの原因
リハビリ中の意欲低下や感情の不安定さは、単なる「気持ちの問題」や「気の持ちよう」ではありません。これらの心理状態は、大きく分けて二つの側面が複雑に絡み合って生じうると考えられています。
器質的要因(脳の損傷自体)
脳の損傷そのものが、感情や意欲をコントロールする機能に影響を与えることがあります。 感情を制御する前頭葉や辺縁系の影響、あるいは神経伝達物質の不均衡が原因となる場合です。
心理・社会的要因(環境の変化)
生活環境の劇的な変化も大きなストレスとなります。 例えば、社会的役割の喪失(仕事や家事ができなくなった)、経済的な不安、将来への不透明感、他者への依存感(これまで自分でできていたことを頼まなければならない)などです。

脳卒中後に生じやすい心理状態
具体的には、以下のような心理状態がみられることがあります。
脳卒中後うつ
脳卒中を経験された方のうち、少なくない割合の方が「うつ状態」を経験すると言われています。Post-Stroke Depresson (PSD)と呼ばれ、気分の落ち込み、興味や喜びの喪失、食欲不振、不眠などが主な症状です。これはリハビリへの意欲を直接的に低下させる大きな要因です。
不安障害
「また発作が起きるのではないか」という再発への恐怖や、後遺症を抱えたままでの将来への漠然とした不安 に悩まされることがあります。
アパシー(意欲低下)
うつ状態のように「悲しい」という感情は目立たなくても、何事に対しても意欲が湧かず、自発的な行動が著しく減ってしまう状態です。 「以前は好んでいた趣味への意欲が湧かない」 といった形で現れます。
感情失禁(情動失禁)
感情のコントロールが難しくなり、自分の意思とは関係なく、些細なことで(あるいは理由なく)泣き出したり、笑い出したりする状態です。 これはご本人の性格が変わったわけではなく、脳の器質的損傷により感情のブレーキが効きにくくなっている状態です。

リハビリ過程での心理的障壁
「停滞期(プラトー)」
リハビリの意欲に特に影響しやすいのが、「停滞期(プラトー)」と呼ばれる時期です。これは、入院直後の急性期を過ぎて、目に見える機能回復が停滞するように見える時期を指します。 ご本人もご家族も「毎日頑張っているのに、良くならない」「もうこれ以上回復しないのではないか」と不安や焦燥感を抱きやすい時期です。
しかし、この時期は「回復の限界」を意味するとは限りません。 脳内では、神経回路の代償や賦活による目に見えない回復が起きて、獲得した機能を日常生活で応用・汎化させるための適応期間である可能性が指摘されています。 この時期に重要なのは、目標設定の見直しです。 目標をより細分化し、短期的に達成可能な小さな成功体験(例:「昨日より1秒長く立てた」「一人で5メートル歩けた」)をセラピストと共有し、着実な前進を確認し合うことが、意欲を維持する上で非常に重要です。
対処法とサポート
窓口は一つじゃない!!
こうした心理的な辛さを、一人で抱え込む必要はありません。
ご本人による対処(セルフケア)
意欲低下や感情失禁といった症状に対し、ご自身の状態を客観的に認識する思考法(例:「これは症状であり、自分の性格が変わったわけではない」と理解する)を持つことが助けになる場合があります。
ご家族や周囲のサポート
ご家族や周囲の受容的な理解(焦らさず、本人の気持ちを受け止める姿勢)や、安心できる環境調整が不可欠です。 ご本人が安心して気持ちを話せる環境を作ることが大切です。
専門家によるサポート
臨床心理士によるカウンセリング: 不安や抑うつ的な気分について、専門的な心理療法(認知行動療法など)を通じてサポートします。
その他の方法
● 薬物療法: 「脳卒中後うつ」など、脳の機能に働きかける薬物療法(抗うつ薬など)が有効な場合があります。
● ピアサポート: 同じ境遇の人(脳卒中を経験した当事者)と語り合う当事者会やピアサポートは、孤立感を和らげ、「一人ではない」という安心感を得るために非常に有効です。
● 医療ソーシャルワーカー: 経済的な不安 や社会保障制度の利用について相談できる専門職です。

まとめ
リハビリテーションは、身体と心の両輪で進んでいきます。
私たちが発信する情報が、脳卒中後の療養生活を送る皆様、そのご家族のリハビリテーション継続と、より良い生活の獲得に向けた一助となれば幸いです!
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それでは、また次回のブログでお会いしましょう!

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