脳卒中のこと
2024.05.28
脳梗塞の症状を知ろう-大脳 (前頭葉) 編-
脳の部位の中で一番大きいのが大脳です。大脳のうち、表面に近い部分を大脳皮質といい、それぞれの場所に「前頭葉」「側頭葉」「頭頂葉」「後頭葉」といった名前がついています。さらにそれぞれの部位の中でも○○野(〜や)とか、○○中枢(〜ちゅうすう)といった具合に細かくエリアが分けられています。これら大脳の各部分の機能が失われてしまうと、どのような症状が出るのかを深掘りしたいと思います。今回は大脳の前の方にある”前頭葉(ぜんとうよう)”編です。
前頭葉とは
上の図は脳を縦に割ったものを横からみている図です。図の左側が額の方(前)、上側が頭頂部(上)です。それぞれのエリアを色で塗り分けてあります。これらすべての名前を覚えたり、機能を知ったりする必要はないですが、”脳の構造というのは複雑で、部位によって果たしている機能が違う”ことを知ってもらえれば十分です。
今回取り上げる前頭葉は大脳の前にあり(水色・青・紫)、人間の運動・言語・感情をつかさどる部分です。前頭葉にあるエリアとそのエリアに脳梗塞が起きた時に出る症状をまとめてみました。
前頭運動野
本来運動野を通って筋肉に伝わるはずの指令が伝わらなくなってしまうので、意図した運動(随意運動)ができなくなる、いわゆる手足の麻痺が起こります。脳から出た神経は途中で左右が入れ替わるため、障害を受けた脳と反対側の手足や顔面の麻痺となります。また、筋肉のコントロールができなくなるため筋肉は過度に緊張し、手指の細かい作業(巧緻運動)などが障害されます。脳梗塞による麻痺と聞いて、多くの方がイメージする状態は前頭運動野の障害による麻痺の姿かもしれません。
前頭連合野
思考力・創造性・社会性などの高度な分析や判断ができなくなってしまいます。(高次機能障害) 注意が散漫になったり、感情がコントロールできなくなってしまったり、急に幸せを感じるようになったり、疲れやすかったりと精神的に不安定な状態に陥ります。
運動前野
例えば、“赤信号をみたら横断歩道の前で止まる”というように、外部から視覚的に得た情報をもとに行動するということができなくなります。それまでできていたはずの動作、とくに何度か繰り返すことで習熟してできるようになったことができなくなってしまいます。そのため、常に誰かの介助が必要となり、自立して社会生活をおくることが難しくなってしまうケースがあります。
ブローカー中枢
言葉を理解することはできて、どのような事を変時したいかが頭の中には浮かぶにもかかわらず、話したい事を言葉として発することができなくなり、文字を書く事もできなくなってしまいます。患者さん本人にとっては大きなストレスの原因となる状態です。
まとめ
脳の中で大部分を占める大脳のうち、前頭葉に脳梗塞が起きた時の症状について解説しました。脳は非常に複雑なので障害を受けた部位と症状が完全に一致するとは限りませんし、いくつかの場所が同時に損傷を受ける事も珍しくありません。しかし、脳梗塞が発生する部位とその時に出る症状を知っておくことは、その後のリハビリを効率よく行うためにも有用なのではないでしょうか。脳梗塞の症状を分析したり、どのようなリハビリを行なっていくかを検討する際の参考になれば幸いです。
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