リハビリのこと
2025.06.30
【保存版】リハビリ150日ルールとは?制度の仕組みとその後の選択肢
30秒でわかる結論まとめ
・150日ルールは “医療保険で請求できるリハビリ期間の上限” を定めた診療報酬の規定。
・起算日は「発症・手術・急性増悪・初診日のいずれか最も早い日」。そこからカウントして150日間が標準的算定日数。(参照元)
・150日を超えても、医師が「状態改善の見込みあり」と医学的に判断した除外対象患者なら月13単位以内で継続算定が可能。(参照元)
・上限を迎えたら ①医療保険のまま継続 ②介護保険へ移行 ③自費リハ の3ルート。ライフステージや年齢で最適解が変わる。
・2024年度改定で在宅・介護系サービスへの橋渡しがさらに強調され、次期改定でも見直し議論が続行中。
目次
はじめに
リハビリにおける”150日ルール“は、医療保険制度の中で重要な規定です。正式名称は「疾患別リハビリテーション料の算定上限日数」。疾患ごとに上限が設けられており、たとえば脳血管疾患では180日、運動器リハでは150日など、疾患により異なります。
この記事では、150日ルールの基本的な考え方と、制度終了後に患者さんが選べる選択肢について、岐阜エリアの情報も交えてわかりやすく解説します。
リハビリ150日ルールとは?
リハビリ150日ルールとは、運動器リハビリなど特定のリハビリテーションに対して医療保険が適用される日数の上限を指す制度です。これは2006年頃から導入された仕組みであり、長期間効果が見られないリハビリを抑制し、効率的な治療を行うという趣旨があります。一方で、実際には患者さんの症状や回復ペースは個人差が大きく、150日を過ぎてもリハビリを継続したいというニーズも少なくありません。制度の背景を理解することで、適切な対応策を見出しやすくなります。
150日ルールの基本的な仕組み
150日ルールとは、運動器リハビリの場合は発症日や手術日などから数えて原則150日まで医療保険の算定ができるというものです。起算日の考え方については後ほど解説します。
脳血管疾患など、別の疾患では180日や120日など異なる上限が設定されている場合もあります。実際に算定される日数は、症状の急性増悪日が新たに起算日に設定されるケースなど例外的な場面もあるため、医師やリハビリスタッフとその都度確認することが大切です。
150日ルールの目的
150日ルールが導入されたのには、長期間にわたり効果が不明確なリハビリが行われているとの指摘があったという背景が考えられます。リハビリの日数制限を設けることで、早期から集中して効果的なリハビリを実施することを促す狙いがあります。また、近い将来に破綻することが懸念される医療制度を守るために、年々高騰する医療費の抑制を図る狙いも含まれており、必要以上の無駄な治療を減らすことで医療資源の適正配分を目指しているのです。しかし実際には、患者の回復段階は一様ではなく、150日を超えてリハビリを継続することが望まれるケースも多く見られるのが現状です。
150日ルールに例外はある?
医療保険のリハビリには、特定の疾病や医師の医学的判断によって例外が認められることがあります。例えば以下のようなケースは例外として認定されていたり、一定の条件を満たせば180日まで延長できるとされています。
・脊髄損傷・多発外傷などの高度外傷
・脳血管疾患などの重症例
・末梢神経損傷(発症後 1 年以内)
・外傷性腱板断裂(受傷後 180 日以内)
ただし、これらの場合でも保険点数が減額となったり、月に行うことができるリハビリの単位数が13単位までといった制限が設けられています。
また労災保険の適用対象となる場合は、150日ルールが適用されないこともありますので、すべてのケースに150日ルールが当てはまるわけではありません。自身の疾患や原因がどの保険制度に該当するかを確認しておくのが重要です。
リハビリの起算日・終了日の考え方
リハビリの開始日と終了日の考え方は、150日ルールを理解する上で重要なポイントです。
リハビリの日数を数える上で重要なのが、いつからカウントが始まるのか、つまり起算日の決め方です。起算日の設定を誤ると、結果的に150日ルールの期限を見誤ることにつながります。また、終了日を正確に捉えておくことで、次のリハビリ手段や介護保険への切り替えなどの検討をスムーズに進めることができます。ここでは、具体的な起算日の例や150日終了後の流れを確認しましょう。
いつが起算日になるのか
リハビリの起算日は、”発症日や手術日、あるいは症状の急性増悪日のうち、最も早い日”となるケースが一般的です。
手術当日が0 日目 と勘違いされやすいですが、実際には「手術当日=1 日目」です。外来初診だけで加療したケースは初診日が 1 日目になります。
たとえば骨折後のリハビリでは、手術日や骨折が確定診断された日から数え始める形が多いです。もし判断が難しい場合は主治医やリハビリスタッフに確認し、書類上の扱いをしっかり統一することが大切です。
終了日がすぎるとどうなるのか
リハビリ起算日から150日を超えた後のリハビリは、医療保険での算定が認められなくなるか、あるいは大幅に制限される場合があります。患者さんによっては、それでも改善の余地があると判断されることもありますが、この時点で医療保険ではなく介護保険に切り替えるか、自己負担での継続を検討することが一般的です。最適な時期に切り替えを行うためには、早めに主治医やケースワーカーと相談しておくことが望ましいでしょう。
医療保険でのリハビリとは
保険には、医療保険、介護保険、自賠責保険、労災保険など、様々な種類のものが存在します。ここでは最も一般的である、医療保険を使ったリハビリの期間や手続き上の注意点について解説します。
医療保険で行われるリハビリは、主に急性期から回復期にかけての治療効果が高い時期を中心に行われることが多いです。リハビリを適切に行うことで、機能回復や痛みの軽減などが期待できますが、その一方で日数制限の範囲内で最大限効果を高めるテクニックも重要になります。ここでは、150日以内の注意点や疾患別リハビリの制限、150日経過後の継続について解説します。
起算日から150日以内における注意点
150日以内の間は比較的自由度が高く、算定日数を目一杯使って手厚いリハビリを行うことが可能です。ただし、医師の指示のもとで目標を明確に設定し、計画的にリハビリに取り組むことで、上限日数内に最大限の効果を得ることができます。費用面では、医療保険が適用されるため個人の負担は軽減されますが、頻回な通院や時間的な拘束が生じやすい点には留意が必要です。
疾患別のリハビリ期間
脳血管疾患等リハビリは180日、廃用症候群リハビリは120日、運動器リハビリは150日など、疾患によって設定されている算定上限は異なります。
特に脳血管疾患など重度のケースでは、医療保険の算定期間が長めに設定されているので、発症後早期の集中リハビリが重要となります。自身がどの疾患カテゴリーに属するかを確認し、最善の方法でリハビリ期間を活用することが回復に大きく影響します。
150日を超えた後もリハビリは継続できる?
150日を迎えた時点で、医師がさらなる改善が見込めると判断した場合、延長措置や例外規定を活用できる可能性があります。ただし、一般的には上限を超えると医療保険での算定が難しくなるため、介護保険の活用や自費リハビリへの切り替えを検討せざるを得ないケースが多いです。継続が必要なのかどうかは、症状の変化や生活の質を検討しながら主治医やリハビリスタッフとじっくり相談することが重要と言えます。
150日以降の選択肢を解説
150日を迎えた後でも、体の機能回復や維持を目指したい場合にはリハビリを続けるための方法は複数存在します。
主な選択肢としては、そのまま医療保険でのリハビリを継続するか、あるいは介護保険に移行する方法が挙げられます。また、リハビリ専門施設や自費リハビリを含めた多面的なアプローチを検討することも大切です。
そのままリハビリを継続
医師の判断により一定の条件を満たせば、150日経過後も医療保険での継続が可能な場合があります。しかし、多くの場合は算定が打ち切られるため、自己負担が増えるケースも考えられます。ほかにも、日常的なリハビリ習慣を自宅で取り入れるなど、費用を抑えながら継続する工夫をすることが望ましいでしょう。
介護保険への移行:40~64歳と65歳以上での違い
介護保険への移行は、医療保険でのリハビリを継続できなくなった後に選択肢となる代表的な手段です。ただし、この介護保険を利用するには、介護保険申請を行い、要支援や要介護の認定が必要となります。年齢によって認定基準や利用できるサービスの幅が異なる点にも注意が必要です。
<40~64歳の場合>
40~64歳の方が介護保険を利用するには、特定疾病に該当することが原則条件となります。要支援・要介護認定を受けるには、地域包括支援センターなどを通じて申請を行い、調査の後に審査を経て認定が下ります。特定疾病に該当しない場合は、原則的に介護保険を利用できないため、他の制度や自費サービスを検討する必要があります。
<65歳以上の場合>
65歳以上の方の場合は、特定疾病の制限がなく、要支援・要介護認定を受けやすいという特徴があります。しかし、要介護度によって受けられるサービス内容が異なり、リハビリを組み込んだケアプランを作成する必要があります。医療保険との連携を踏まえながら、適切に介護保険を利用することで、長期的な回復や自立を目指すことができます。
外来リハビリが終了になる理由と背景
外来リハビリが途中で打ち切りになるケースには、さまざまな理由があります。ひとつには、日数制限の問題が直接的な原因として挙げられますが、病院やクリニックの人員体制、運営上の都合も関係してきます。また、長期的にリハビリを提供しても回復効果が頭打ちになると判断された場合には、他の介護サービスへの移行を提案されることもあります。打ち切りといってもリハビリそのものが完全に終わるわけではなく、継続する手段を別途検討する必要があるでしょう。
外来リハビリ以外の選択肢について
病院やクリニックでの外来リハビリ以外にも、介護保険サービスや訪問リハビリ、デイケアなど選択肢は多様にあります。利用者の体力や生活環境に合わせて、通所や訪問などの形式を柔軟に選ぶのが大切です。特に在宅でのリハビリに切り替える場合は、家族の協力体制や住環境の整備も検討しておくとスムーズに移行できます。
デイケアでのリハビリ
デイケアは、通所型で一時的に施設へ通い、リハビリや生活支援を受けるサービスです。医療スタッフや専門のリハビリ職が常駐しているため、外来と同等の専門的なケアが期待できます。ただし、利用日数や時間に制限があるため、目標設定とスケジュール管理が重要になります。
訪問リハビリ
在宅生活を続けながら専門家のサポートを受ける方法として、訪問リハビリがあります。これは要支援・要介護認定を受けた方が主に利用できる仕組みで、移動が困難な人でも自宅で専門的なリハビリを継続できるメリットがあります。リハビリだけでなく、生活動作のアドバイスや住環境の調整など、幅広い支援を受けられるのも特徴です。
自費リハビリ
保険適用外の自費リハビリやリハビリ専門のプライベートクリニックを利用する選択肢もあります。費用が自己負担となるため経済面の負担は大きくなりますが、専門的で自由度の高いプログラムを組むことが可能です。公的保険の枠を超えてリハビリを強化したい方には、有力な選択肢と言えます。
日数制限見直しの動向
日数制限の見直しに関する行政の動きや医療現場の対応を押さえておきましょう。近年、厚生労働省を中心にリハビリの日数制限の在り方について検討が進められています。患者の個別性やリハビリの質を重視する声が強まる中、一律の上限設定を見直そうという意見もあります。しかし、医療費全体の抑制とのバランスを考えると、すぐに大幅な変更が行われるという見通しは立っていません。医療現場では、効果的にリハビリを行うために集中的なプログラムが組まれたり、介護保険や地域資源を活用しやすい体制づくりを模索したりする動きが見られます。
厚労省の方針と医療現場の現状
厚生労働省は、リハビリテーションを含む医療制度全般の効率化と質の向上を目指しています。現行の150日制限に対して、実際の患者の回復期間や生活課題とのギャップを埋めるための改定が議論されていますが、医療費抑制の観点から厳しい調整が続いているのが現状です。医療現場としては、制限の中でも最大限の効果を得られるように、チーム医療や早期介入といった取り組みを進めています。
専門施設・地域資源の活用
専門的なリハビリ施設や地域のサービスを上手に活用することは、長期的なリハビリにおいて非常に有効です。
たとえば、リハビリ専門病院や通所リハビリ施設では、集中的かつ専門的なリハビリを受けることができます。また、地域のデイケアや訪問看護ステーションなども積極的に活用することで、医療保険での制限をカバーしながら継続的なリハビリを続けることが可能になります。こうした施設やサービスは、地域包括支援センターや主治医、ケアマネージャーを通じて情報を得ることができるため、早めに相談をしておくと安心です。
150日後もリハビリを続けるためのポイント
リハビリを必要とする方が150日を過ぎても効果的に回復を目指すために、押さえておくべきポイントを整理します。
まず、医療保険の日数制限に縛られず、必要に応じて介護保険を活用するなど柔軟な対応を検討しましょう。次に、在宅でできる自主トレーニングやホームエクササイズなど、日常からリハビリを意識した生活を心がけることが大切です。さらに、今後の制度改正の動向を把握し、必要に応じて専門家や行政機関に相談することで、より適切なサービスを受けられる可能性が高まります。最後に、家族や周囲のサポートを得ながら無理なく継続することが、長期的な回復を目指す上で重要な鍵となるでしょう。
自費リハビリも含めた様々な選択肢の中からご自分に最もあったものをよく吟味してください!
リハビリZONE岐阜では、『今よりもっと楽しい未来へ』を合言葉に、最先端の機器と専門的な技術・知識を駆使してあなたの回復を最大限サポートいたします。
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