リハビリのこと
2024.11.25
ストレッチの謎に迫る! 〜結局、何秒間伸ばせばいいの?〜
こんにちは、リハビリZONE岐阜の後藤です。
身体の柔軟性改善や運動前の準備運動のために多くの方がストレッチを行なった経験があると思います。このストレッチ、「何秒くらい伸ばせばいいのか」「どうやれば効果はあるのか」などといった疑問をお持ちになったことはありませんか?そこで今回は、ストレッチの種類や、効果的な方法などについて解説していきます。
目次
ストレッチの定義
ストレッチとは、筋肉を良好な状態にする目的でその筋肉を伸ばす行為のことです。筋肉の柔軟性を高め、関節可動域を広げるほか、呼吸を整え、精神的な緊張を軽減するという意味があります。「ストレッチ」は日本語に訳すと「伸びる、広がる、伸長する」という意味で1960年頃にアメリカで発表されたスポーツ科学の論文中で使われ始め、1970年頃には「ストレッチ」の概念が広がりました。また、1975年のボブ・アンダーソンの著書『STRETCHING』が普及を大きく促進しました。
ストレッチの種類
ストレッチは大きく分けて2種類 存在します。
種類によって効果が違うので、その時に適したストレッチが選択できるようにしましょう。
<静的ストレッチ>
ストレッチのなかでも一般的なのが静的(スタティック)ストレッチです。反動や弾みをつけずに筋肉をゆっくりと伸ばし、その姿勢を維持するストレッチです。時間をかけて筋肉の最大可動域をゆっくりと伸ばしていくため、目的の筋肉の柔軟性向上や関節可動域を広げる効果があります。深呼吸をしながら実施することで副交感神経を刺激し、リラックスさせる効果もあります。そのため、運動後のクールダウンや就寝前に行うことがおすすめです。
<動的ストレッチ>
ゆっくりとした動きの静的ストレッチに対し、動きながら行うストレッチを動的ストレッチといいます。動的ストレッチは、「バリスティックストレッチ」と「ダイナミックストレッチ」に分けられます。「バリスティックストレッチ」は、勢いや反動をつけて筋肉を伸長させる方法です。スポーツの運動場面で動作に合わせたストレッチが行いやすく、筋肉の弾性を高めるという特徴があります。実は、ラジオ体操も「バリスティックストレッチ」に分類されます。
一方、「ダイナミックストレッチ」は、伸ばしたい筋肉(主動作筋)と反対方向の運動をする筋肉(拮抗筋)を意識的に活動させて、その動作を繰り返し行うことで主動作筋を弛緩させる方法です。関節をゆっくりとしたリズムで動かしながら、筋肉を伸縮させる方法です。運動前のウォーミングアップとしておすすめのストレッチです。
<ポイント>
運動前には動的ストレッチを行い、
運動後には静的ストレッチを行うと良い!
ストレッチの効果
① 運動時の怪我予防
運動前後のストレッチは怪我の予防につながります。運動前には動的ストレッチをおすすめします。身体を大きく動かすことで体温が上がります。体温が上がることで筋肉や関節の柔軟性・可動性が高まり、負担がかかりにくくなります。また、筋肉の柔軟性が高まることで動きがスムーズに行いやすくなります。
運動後には静的ストレッチをおすすめします。静的ストレッチは運動後に低下していく体温に合わせて身体を休ませていきます。運動を終了した後は筋肉に血液がたまってしまい、疲労が抜けにくくなります。そのため、運動後に静的ストレッチを行うことで怪我をケアすることができます。
② 腰痛・肩こり・関節痛の軽減
ストレッチを行うと腰痛・肩こり・関節痛などが軽減されることがあります。腰痛や肩こりの原因に筋肉由来の痛みが存在します。筋肉の緊張が高くなることや硬くなることで痛みに敏感になること、硬くなった筋肉が神経を圧迫することで肩や腰に痛みが生じることがあります。
そのような状態に対してストレッチを行うと、血流が良くなり、筋肉の緊張や硬さが取れ、肩こりや腰痛の改善に期待ができます。また、関節の不動が続くと硬くなり、可動域が少なくなり、動かしにくくなります。ストレッチは関節を伸ばす運動でもあるので、関節痛を軽減する作用もあるとされています。
また、デスクワークなどで長時間一定の体勢でいると関節に痛みが出現することもあります。身体の負担を軽減するためにも、ちょっとした合間にストレッチを取り入れるのがおすすめです。
③ 血流の改善
ストレッチには血流を改善する作用もあります。血流が改善されることで四肢のむくみや冷えの解消にも期待ができます。むくみとは、皮膚や皮膚の下に水分が溜まり、腫れたようになる症状を指します。むくみの原因として血流の悪化が挙げられますが、特に足は心臓から遠い位置にあるため血流が届きにくく、むくみやすいとされています。また、血流がよくなって血流が手足まで行き届くことで冷えの改善にも期待できます。
④ 身体バランスの改善
ストレッチの方法によっては、骨盤の歪みを改善することや、筋肉のなかでも深層部にあるインナーマッスルを鍛えることも可能です。身体のバランスが整うことで、O脚や猫背が改善されて姿勢や良くなり、転倒予防にも繋げることが可能です。
⑤ ストレスの軽減
ストレッチは、ホルモンや自律神経のバランスを整えて、メンタルにも良い影響を与えると言われています。適度な運動をすることで、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促されるため、ストレスの軽減に効果的です。
結局、何秒間伸ばせば良いの?
ストレッチには、様々な効果があることがわかりました。では、実際にストレッチをするときに何秒間伸ばせば良いのか?と疑問に思う方も多いと思います。「10秒キープしてください」「長ければ長いほど効果的ですよ」など色々言われると何が本当に正解なのかが分からなくなってきます。
結論!
ストレッチにかけるべき時間は20秒〜30秒です!!
10秒だと筋肉が伸び始めたくらいで終わってしまうので変化が出るほどの効果は期待できません。20秒あたりから筋肉の全体が伸びてきますので、そこでその状態をさらに10秒キープすることによって変化に期待ができます。
また、伸ばす秒数が長ければ長いほど良いというのは、20秒伸ばした時と60秒伸ばした時を比較した際にそこまで差がないという研究結果が出ています。そのため、秒数長く伸ばすよりもセット数を増やした方が効果的だと考えられます。筋肉には、伸ばされると元に戻る習性があるので、60秒かけて1回行うよりも、20秒〜30秒を2、3セット行う方がより効果的です。
ストレッチを行う上での注意点
① 反動をつけない
ストレッチ中は、勢いや反動をつけずに、ストレッチの対象となる筋肉を少しずつ伸ばしていきます。筋肉は急激に伸ばされると、筋断裂などの障害を防ぐために筋肉の筋紡錘(筋肉の長さを検知する固有受容器)の働きにより筋肉が収縮してしまいます。そのため、反動をつけることで柔軟性が低くなる恐れがあります。
② 呼吸を止めない
ストレッチを行う時は、息を吐きながら筋肉を伸ばしていきましょう。呼吸を止めると身体は緊張状態になり、筋肉が硬くなりやすいので筋肉が伸びにくくなります。また、呼吸を止めることで血圧が上がるなど身体に負担がかかることがあります。ストレッチ中は、鼻から息を吸って、口から息を長く吐くようにしましょう。
③ 無理はしない
柔軟性が低く固い筋肉の場合、ストレッチを行うことで痛みを伴うことがあります。ストレッチで痛みがある部位を過度にストレッチしてしまうとこで筋肉を痛める原因になってしまいます。最適なストレッチは「イタ気持ちいい」程度の強度です。
ストレッチを行うタイミング
ストレッチを行うタイミングは、目的や状況によって異なります。一般的には次のタイミングがおすすめです。
<運動前>
動的ストレッチを行い、身体を温め筋肉を柔らかくして、怪我を防ぎます。
<運動後>
静的ストレッチを行い。運動で緊張した筋肉をリラックスさせ、柔軟性を高め、筋肉の回復を促します。
<朝>
起床後に軽いストレッチを行うことで、血流を促し、身体を目覚めさせる効果があります。
<就寝前>
リラックスのための静的ストレッチを行うことで、副交感神経が働きやすくなり、安眠をサポートします。
効果を実感するまでの目安
ストレッチの効果が実感できるまでの期間は個人差がありますが一般的な目安としては2~4週間ほどです。継続することで、徐々に柔軟性が向上し、身体の変化を感じることができるでしょう。
効果を感じるまでの目安
◎1~2週間
→筋肉の緊張が和らぎ、リラックス感を得やすくなります。
◎2~4週間
→柔軟性が向上し、身体が動かしやすくなります。
◎1~3ヶ月
→習慣的に続けると、関節の可動域が広がり、身体が軽く感じるようになります。
効果を高めるポイント
◎毎日続ける
→少なくとも週3~4回は行うのが理想です。
◎適切なタイミングで行う
→朝や運動後、就寝前などリラックスした状態で行うと効果が高まります。
◎無理はせずに少しずつ
→急激な伸ばしすぎは逆効果なので、心地よい範囲で少しずつ続けることが大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、ストレッチについて解説していきました。ストレッチは目的に合わせて種類やタイミングを選択することが重要になってきます。また、効果として実感するためには最低1ヶ月以上継続して行うことをおすすめします。特に、お風呂上がりの身体が温まった状態でストレッチを行うと効果的です。就寝前に短時間でも毎日コツコツ行えるといいですね。
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