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脳卒中のこと

2023.08.25

【医師が解説】 脳梗塞・脳出血後に通う自費リハビリ施設とは? 〜 施設選びのポイント3選 (基礎編)〜

脳梗塞・脳出血後のリハビリ施設選びのポイント3選 (基礎編)

勤務医として働きながら自費リハビリ施設の経営に携わり、医療と自費リハビリの裏側を知る現役医師が、自費リハビリ施設選びのポイントについてわかりやすくお教えします!

 

自費リハビリ施設について

自費リハビリ施設とは

みなさん、自費リハビリ施設という言葉をご存知ですか?
自費リハビリ施設の1番の特徴は、その言葉の通り”自費(保険外)”のサービスを提供している という点です。国民皆保険制度の浸透している日本では、治療にかかる費用の1~3割のみを負担することが当たり前となっているため、全額自己負担で医療に関連するサービスを受けるということに馴染みのない方が多いかもしれません。

近年、美容整形外科の領域などでは保険適応外の治療を自費で受ける方が増えており、”自費”という言葉の認知度も高まりつつあります。その広がりは美容整形だけでなく、再生医療をはじめとした医療関連のさまざまな業界でも起きており、自費での治療を行う施設は多数存在します。自費リハビリの分野もそのひとつなのです。

自費リハビリ施設が増加している理由


自費リハビリ施設が増加する背景には日本の医療が抱える問題点が隠れています。厚生労働省の「患者調査」によると2020(令和2)年の脳血管疾患の患者数は174.2万人(男性94.1万人・女性80.1万人)と報告されており、その数は増加傾向にあります。しかも高齢者だけでなく30~50代の働き盛りの壮年〜中年層の脳卒中患者が増えているのです。

その一方で、高騰する医療・介護関連費用を削減するために入院日数やリハビリ期間の短縮が進んでおり、医療業界を取り巻く環境は年々厳しくなっているのです脳卒中(脳梗塞・脳出血など)直後の急性期〜回復期には、病院で理学療法士や作業療法士による質・量ともに担保されたリハビリを行うことが可能です。しかし、発症から約6か月経過し、徐々に麻痺の症状が回復してきて「これからもっとリハビリを頑張って社会復帰を目指そう!」という時期(生活期)に医療制度の問題のために、リハビリを受けられる機会が激減するのです。もっと良くなるためにリハビリをしたいのにリハビリができない患者さん(リハビリ難民)が発生し社会問題となっています。これらの患者さんのニーズに応えるべく、保険制度に縛られずにリハビリを提供できる施設、「自費リハビリ施設」が全国各地で新設されています。

(上写真) HAL®︎を使った自費リハビリの様子

用語解説リハビリ難民とは?』
リハビリを継続したいのに医療制度の諸問題のために、必要充分なリハビリを受けることができない患者さんのこと。



今回は、自費リハビリを検討されている方向けに自分にあった自費リハビリ施設を選ぶためのポイント3選(基礎編)をご紹介します。

施設選びのポイント3選

1. 施設の場所

  • 自宅から30分〜1時間以内がおすすめ
  • 駅・バス停からのアクセスを確認
  • 無料駐車場が隣接している施設は理想


脳梗塞・脳出血に対するリハビリは1回では完結しません。毎回のリハビリで改善を実感できるものの、その効果を身体に定着させるためには時間をかける必要があります。一般的にリハビリの効果を最大化するためには、週2~3回のリハビリを最低2~3か月継続する必要があると言われています。どれだけ有名なセラピストに治療してもらっても、1回だけの施術で得られる効果には限界がありますし、その効果は長期間に渡り持続するものではありません。脳卒中で低下してしまった身体の機能を改善するには、小さな変化を少しずつ積み重ねていくことが一番の近道なのです。

梗塞や脳出血により麻痺症状がある方にとっては日々の生活も容易ではないはずです。そのような中、リハビリをするために毎回何時間もかけて施設まで移動するのは現実的ではないため、リハビリ施設への通いやすさは施設選びにおいて非常に重要な点です。ご家族の協力が得られるか、介護タクシーを利用可能かなどによって幅はあるでしょうが、自宅から30分〜1時間以内にある施設を選ぶのが良いでしょう。公共交通機関で通う方は駅やバス停から近いか、施設までの経路に段差や階段は多いのか、エレベーターの位置はどこにあるかなども確認しましょう。自動車で通う方は施設に駐車場が隣接しているのか、駐車場は有料なのか無料なのかについても確認すると良いでしょう。

訪問型の自費リハビリサービスもあるので移動が困難な方にとっては良い選択肢のひとつになるかもしれません。訪問型の場合は往復の交通費がかかったり、訪問に要する時間に対して追加料金がかかったりする場合もあるため事前の確認をしましょう。

 
 

2. 価格の妥当性

  • 価格がサービスの質と比例するわけではない
  • 単純な価格比較でなく、価格とサービスの内容を吟味
  • 全額返金に対応する施設がおすすめ


保険診療で行われるリハビリにかかる費用は
60分あたりおよそ8,000円〜12,000円で、実際に窓口で負担をするのは保険の種類に応じてその1~3割の価格です。以下に実例を示します。

例:脳血管疾患に対してリハビリテーション料(Ⅰ)でのリハビリ
<内訳>
リハビリ費用:1単位20分:2,450円を60分換算→7,350円

診察料:初診→2,880円、再診→730円
その他加算:地域包括診療料(16,600円/月)など
合計(60分換算):8,080円〜12,305円
(参考資料)


一方で自費リハビリは価格の設定を自由にできるため、施設毎に提供しているコースや価格帯はさまざまです。各自費リハビリ施設のWebサイトを見渡してみると価格の相場は60分あたり8,000円〜12,000円前後といった印象で、これは保険診療で全額自己負担した場合と同程度です。また、整骨院、接骨院、カイロプラクティック、マッサージ店リラクゼーションサロンなどと比較しても価格設定は同程度です。自費リハビリ=高額という印象が広まっていますが、自費リハビリの価格帯は決して法外ではなく国が定める金額に近い妥当なものなのです。

自費リハビリではチケット制を導入している施設が多いため、10~20回分の施術料をまとめて払うことになります。1度の支払額が20~30万円ほどになるため、高額というイメージに結びついていると考えられます。もちろん保険がきかないため、自己負担額が大きくなるというのは紛れもない事実です。しかし、自費リハビリの世界に身を置く療法士たちは腕に自身のある人達が多い印象です。そのため、彼らの施術を整骨院やマッサージ店など同程度の価格帯で受けられるというのはむしろと割安といえます。このように短期的にみるとまとまったお金が必要にはなりますが、介護保険のサービスを年単位で利用すれば、自費リハビリと同程度の費用が必要となります。自費リハビリで身体の状態が良くなって過ごす数年〜数十年間と、機能改善が得られないまま過ごす数年〜数十年間…どちらが有益かは答えるまでもないでしょう。

ここで施設選びの際に注意したいのは、少しでも安いところを探せばいい•••というわけではない点です。また、逆に高いから必ず良いリハビリが受けられるというわけでもないのです。そのため、価格の妥当性は「誰が」「どのような」リハビリをしているかを吟味し検討する必要があります。最終的には利用者自身の納得感が重要だと考えます。また、高額なチケットをまとめて購入したものの、リハビリの内容や結果に満足できなかったらどうしようという不安から自費リハビリに挑戦することをためらっている方もいるかもしれません。そのような不安を解消するために、リハビリの内容や結果に満足できなかった場合に全額返金に対応する施設もあるため、事前に確認すると良いでしょう。返金対応することを明示している施設は治療結果を出せる!という自信を持っているとも解釈できますので施設の安心感を示すバロメーターになると思います。はじめて自費リハビリを利用する方にとっては無用なトラブルを回避するためにも返金制度はおすすめの制度です。

 

3. リハビリの内容・担当者

  • リハビリにコンセプト・想いがあるか?
  • オーダーメイド以外のセールスポイントは?
  • 実際に体験して決める!

『まずは実際に体験してみる!』これに尽きますが、それ以外に留意していただきたい点をご紹介します。各施設のホームページを見る時には、以下の2点を確認しましょう。

① 施設の「コンセプト」や「想い」
② オーダーメイドのリハビリであること以外のアピールポイント

企業・施設の理念というのはそこで働く職員の行動の根底を作っています。魅力的なコンセプトは必要条件です。それをどこまで体現できているかを体験リハビリに行って確認するのです。また、リハビリにおいて「オーダーメイドのリハビリ」というのは当たり前です。介護施設などで行われる集団リハビリを除けば、リハビリというのは個別に行い、その方に合わせた内容で行うものなのです。ですから…「オーダーメイド」以外に何がアピールポイントなのかを知ることで、その施設が提供できるリハビリの質を推しはかることができるのです。自費リハビリ施設が提供するサービスの内容は千差万別です。ホームページの情報だけで事前に判断することは、ほぼ不可能です。ほとんどの施設で体験リハビリ 1回 5,000円 (税込)程度で受けられるようになっていますので、実際に体験して効果を感じるのが良いでしょう。身体の状態にもよりますが、優秀な治療者というのは1回の施術で何かしらの結果(身体の変化)を出せるものです。また治療者の力量だけでなく、コミュニケーションのとりやすさなど、利用される方との相性も同じぐらい重要ですからとにかく体験に行くことをお勧めします。

多くの施設では国家資格を有する理学療法士または作業療法士が施術することが多いですが、その他の職種でも自費リハビリを行うことができるため施術者のプロフィールをよく確認しましょう。資格さえあればよい治療者というわけではないですが、ひとつの基準になることは間違いないでしょう。個人的には理学療法士または作業療法士が施術をしている施設をおすすめします。

複数の施設で迷う場合にはすべての施設で体験リハビリを受けててから検討しましょう。体験後に無理やり契約を迫られる…なんてことを防いだり実際の効果を客観的に評価してもらうためにもご家族などと一緒に体験に行くのが良いでしょう。体験後、すぐに契約を判断するのは容易ではないと思いますが、実際に体験してみてよくなりそう!という期待感があればその場で契約するのももちろんアリだと思います。一方、その場で契約しない場合にどのようなオプションがあるのか、というのもその施設が信頼できるかどうかを見極めるポイントかもしれません。安心してご自身の身体を任せられる施設と出会えるといいですね!

•••いかがでしたか?
今回の記事を通して自費リハビリを知っていただき、少しでも多くの方に興味をもっていただければ幸いです。自費リハビリを受けるか悩んでおられる方にとってもご自分に合った施設を選ぶための参考になることを願います。自費リハビリという選択をすることで皆様の人生に笑顔が戻りますように。(応用編に続く)

リハビリZONE岐阜では、『リハビリで笑顔を再生!!』を合言葉に、ボイタ法による施術とHAL®︎を用いた機能訓練を中心とした自費リハビリを行っております。これまでにリハビリで思うような結果が出ず諦めていた方、現在身体のことでお悩みのある方、もっとリハビリをしたいとお考えの方など、様々なニーズにお応えするための手段を多数ご用意しております。是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。

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