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2025.12.21

【保存版】理学療法士による屋外歩行の攻略法6選

【保存版】理学療法士による屋外歩行の攻略法6選
こんにちは!リハビリZONE岐阜 理学療法士の松田裕之です。
退院して自宅に戻ると、病院のリハビリ室とは違う「外の世界」の壁にぶつかることがありませんか?

病院の廊下は平らで、手すりがあり、滑りにくい床材が使われています。しかし、一歩外に出れば、傾斜や段差、砂利道、そして行き交う車や人など、予測できない要素がたくさんあります。

「横断歩道の点滅が怖い」「人混みでぶつかりそうになる」
こうした恐怖心から、せっかく回復してきたのに家に引きこもりがちになってしまうのは非常にもったいないことです。この記事では、そんな不安を解消し、自信を持って外出を楽しむための「屋外歩行のコツ」をまとめてご紹介します。

【保存版】理学療法士による屋外歩行の攻略法6選

横断歩道で足がすくむ時の対処法

【心のブレーキを外す技術】
「青信号が点滅し始めた瞬間、焦って足が出なくなる…」

横断歩道の途中で信号が点滅し始めたとき、心臓がドキッとして足が急に重くなった経験はありませんか?これは単なる気分の問題ではありません。脳卒中後の体は、精神的な「焦り」や「恐怖」を感じると、自律神経の影響で筋肉の緊張(トーン)が急激に高まる性質があります。これを放散反応痙縮(けいしゅく)と呼びます。

「早く渡らなきゃ!」と焦れば焦るほど、脳からの過剰な指令によって麻痺側の足が突っ張ってしまい、かえって前に出にくくなる悪循環に陥ってしまうのです。

〜心に余裕をもつためのルール〜

● 見送る勇気を持つ:
横断歩道に着いたときに既に青信号だったら、無理に渡らず、次の青信号を待ちましょう。この「待ち時間」を深呼吸の時間にします。

● ドライバーに合図を送る:
焦る必要はありません。手を少し上げるなどして、「渡っていますよ」と周囲にアピールするだけでも、心理的なプレッシャーが減り、筋肉の緊張が解けやすくなります。

 

砂利道・芝生での対処法

舗装されたアスファルトの上なら歩けるのに、公園の砂利道や芝生に入った途端、足元がおぼつかなくなる。これには明確な理由があります。

私たちの体は、足の裏から「今、地面がどうなっているか」という情報(感覚)を受け取り、無意識にバランスを調整しています。しかし、砂利道などの不整地では、足をつくたびに地面の形状が変わり、足裏からの情報が複雑になります。

脳卒中後は、この「足裏からの感覚情報」を処理する能力が低下していることが多いため、不整地では極端にバランスが取りにくくなるのです。

【リハビリの視点】
リハビリでは、足の裏の感覚をしっかり感じ取れるように、さまざまな工夫を取り入れています。


例えば、異なる素材に足で触れてみたり、硬さの違うスポンジを踏んでみたりすることで、足裏から入ってくる感覚の違いを丁寧に確かめていきます。

また、関節を他動的に動かしながら、「自分が感じている位置」と「実際の動き」とのずれを確認することで、身体の中の感覚を再学習していきます。


こうした取り組みを通して、視覚や筋力だけに頼るのではなく、身体そのものが持つ体性感覚に働きかけるリハビリを大切にしています。

必要に応じて杖や手すりを使いながら、麻痺側の足で体重を支える感覚を安全に経験し、少しずつ「自分の足で立ち、支える感覚」を育てていきます。

坂道での歩き方のコツ

お店の入り口にあるスロープなど、ちょっとした坂道。「上りよりも、下りの方が膝が突っ張って怖い」と感じる方が多いです。下り坂を歩くとき、太ももの筋肉(大腿四頭筋)は、体重を支えながら「ブレーキをかける」という高度な働き(遠心性収縮)を求められます。

【保存版】理学療法士による屋外歩行の攻略法6選
このコントロールが難しいと、膝がガクンと折れるのを防ぐために、無意識に膝をピンと伸ばしきってロックしてしまう(反張膝)状態になります。これでは足が棒のようになり、スムーズに歩けません。

〜下り坂攻略のコツ〜

● 少し膝を曲げる意識を持つ:
膝を完全に伸ばしきらず、常に少しだけ曲げた状態を保つことで、衝撃を吸収しやすくなります。

● 歩幅を小さくする:
大股になるほど、着地した足にかかるブレーキの負担が増えます。小股でチョコチョコ歩く方が、筋肉への負担も転倒リスクも減らせます。

● 手すりを使う:
恥ずかしがらずに頼ることが、安全への近道です。

 

人混み・スーパーでの歩き方

スーパーやショッピングモールなど、人が多い場所は難易度が跳ね上がります。

「人にぶつかりそう」「子供が急に飛び出してくるかも」

周囲の動きを常に目で追いながら歩くため、情報処理が追いつかず、体がこわばってしまいます。また、急な方向転換は麻痺側の足がついてこられず、転倒の原因になりやすいです。

【保存版】理学療法士による屋外歩行の攻略法6選
〜人混み対策 3選〜

● カートを使う:
ショッピングカートは、荷物を運ぶだけでなく、歩行器のような役割を果たしてくれます。両手(または片手)で触れているだけで、姿勢が安定し、周囲の人からも「カートを押している人」として認識されやすくなり、ぶつかられるリスクが減ります。

● 時間帯を選ぶ:
平日の午前中など、まずは人の少ない時間帯で「広いスペースを歩いて」自信をつけましょう。

● 障害物を避ける練習をする:
リハビリの中で、コーンや椅子を置いて、それをスムーズに避けて歩く「スラローム歩行」の練習も効果的です。

 

乗り物(バス・電車)対策

「バスや電車に乗って、友人に会いに行きたい」
そう思っても、バスのステップの高さや、乗車中の揺れを考えると二の足を踏んでしまう方も多いでしょう。

特にバスは電車と違い、発進・停止の揺れが大きく、乗降口のステップも高いため、非常に高いバランス能力が求められます。「揺れ」と「段差」に対して対策することが必要です。

〜安全に乗るための鉄則〜

● 完全に停止してから動く:
これが最も重要です。バス停に着き、扉が開いて完全に止まるまでは席を立たないでください。また、降りる際も運転手さんに「降ります、ゆっくりでいいですか」と声をかけても良いでしょう。多くの運転手さんは配慮してくれます。

● 乗り降りの手順:
乗る時→良い方の足(健側)から先に上げ、体を引き上げる。
降りる時→杖をつき、麻痺側の足(患側)から先に下ろす。

「行きは良い良い(健側)、帰りは怖い(患側)」と覚えるとスムーズです。
当施設では、バスのステップを想定した高い段差の昇降練習や、揺れに耐えるための動的バランス練習も実践的に行っています。

【保存版】理学療法士による屋外歩行の攻略法6選

デュアルタスクを目指す

一人で黙々と歩くのは大丈夫でも、誰かと話しながら歩いたり、看板を探しながら歩くと、急に足が止まったり、ふらついたりしませんか?
これは「二重課題(デュアルタスク)」と呼ばれる脳の処理能力の問題です。

健康なときは無意識に行っていた「歩行」ですが、脳卒中後は「右足を出して、重心を移して…」と、脳が意識的に指令を出して歩いている状態になりがちです。そのため、会話や計算など他のことに脳のメモリ(注意)を使うと、歩く方への指令がおろそかになり、足が止まってしまうのです。

〜自宅でできる脳トレ&歩行練習〜

脳の処理能力を少しずつ鍛えていきましょう。
● 座って計算:
テレビを見ながら、手足を動かしながら計算をする。

● 足踏みしながらしりとり:
その場で足踏みをしながら、家族としりとりをする。

● 歩きながら風景描写:
散歩中に「あそこに赤い花がある」「今日は雲が多い」など、見たものを口に出しながら歩く。焦らず、少しずつ脳に「ながら動作」を思い出させていきましょう。

 

【保存版】理学療法士による屋外歩行の攻略法6選
この記事を読んで『これ、私のことだ』と思った方へ。
この記事で紹介した悩みは、多くの脳卒中経験者の方が直面する「あるある」です。しかし、解決策は一人ひとり違います。麻痺の程度、生活環境、そして「どこに行きたいか」という目標によって、最適なリハビリ方法は変わります。

実際の歩行練習では、あなたの身体の状態に合わせた、きめ細やかなメニュー調整と動作確認・指導が必要です。

『もっと外に出たい』『家族と旅行に行きたい』

そんな目標を、私たちと一緒に叶えませんか?今、不安を抱えている方がおられましたら、いつでもお気軽にご相談ください。リハビリテーションの専門職があなたの「最初の一歩」をサポートします!

リハビリZONE岐阜では、『今よりもっと楽しい未来へ』を合言葉に、最先端の機器と専門的な技術・知識を駆使してあなたの回復を最大限サポートいたします。
リハビリは 「できることを増やし、次の目標に向かう挑戦の連続」 でもあります。私たちは、利用者様が 「もう変わらない」「限界かな」 と諦めるのではなく、「もっと良くなる」 という前向きな気持ちでリハビリに取り組めるよう、全力でサポートしていきます。
是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。

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