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リハビリのこと

2023.10.17

“QOL” (生活の質)とは? ~リハビリと”QOL”の繋がり~

こんにちは。リハビリZONE岐阜の理学療法士 松田裕之です。今回はリハビリ業務に携わりながら介護福祉士として介護・福祉の現場で働いた中で感じた、リハビリを進めるうえでとても大切な言葉であるQOL生活の質についてお伝えします。医療業界をはじめ介護・福祉の現場で注目を浴び、リハビリ分野でも重要視されている「QOL=生活の質」ですが、皆様はQOLという言葉を聞いたことがありますでしょうか?様々な場面で使われるようになりつつあるQOLという言葉は、医学の分野においては使われる場面によっていろいろな意味をもちます。
QOL=生活の質とは?後遺症の治療だけじゃないリハビリとQOLの繋がり
リハビリを進めるうえで、なぜQOLが大切なのか?リハビリとの関係性は??そして、リハビリのサービスを受けるにあたり、どんな事に気を付ければ良いか???などを分かりやすく事例を交えながら解説していきます。
また、医療福祉の現場に携わるケアマネジャー・コメディカル・ご家族にとっても、生活期リハビリを考えるうえで参考になるポイントがありますので、ぜひ、最後まで目を通してみてください。

QOL=生活の質とは?

【解説】
“QOLが高い”というのは生きがいや満足感があり、心身の苦痛がない状態のこと


車椅子の女性が介護士と気持ちよさそうに日光浴をしている
QOL
は、”Quality of Life”の略であり、日本語では”生活の質”と訳します。これは、その人が人間らしく満足した生活を送れているかどうかを示す概念です。介護の現場ではQOLの読み方は「キュー・オー・エル」と呼ばれています。QOLに関する具体的な評価項目としては以下のようなものがあります。

▶︎ 身体的に満足な活動が行えているか?
(しっかり歩ける、立ち座りが安定している)
▶︎ 経済的に満足か?
(日用品や医薬品は十分に購入できるか)
▶︎ 日常的に行う作業や取り組みに満足感があるか?
(家事や日課、続けている趣味活動)
▶︎ 周囲の人間関係は良好か?
(配偶者、ご家族、ご友人との関係など)
▶︎ 精神的な安らぎや充実感があるか?

また、QOLに似ている言葉として、“ADL”という言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。ADL=Activity of Daily Lifeとは、日常生活を送るために必要な基本的な動作である、食事、更衣、排泄、入浴、整容(容姿を整えること)、移動や移乗(ベッドから車椅子へ移乗)などを指します。寝返りや起き上がりといった起居動作、歩行動作も含まれます。ADLの読み方は「エー・ディー・エル」であり、介護現場におけるスタッフ間のやりとりでも頻繁に聞かれます。

【解説】
「ADL」とは日常生活を送るために必要な基本的な動作のこと

~事例紹介~ 
ご利用者様の声 0008 ~寝返りができない状態から自動車での外出が可能に!~
当施設で実際にリハビリをされたご利用者様の声をご紹介します。
寝返りが打てない状態から3ヶ月リハビリをしたことで自動車にのって外出可能になった男性の事例

後遺症治療だけじゃない!?リハビリとQOLの関係性とは?

それでは、身体の動きで基本となるADLが自立すれば、QOLも付随して向上するのでしょうか?実は、リハビリにおけるADLとQOLの関係性については一概にそうとは言い切れません。ここまで医療・福祉分野においてのQOLについて解説しましたが、リハビリとの関係性とはいったいどの様なものなのでしょうか?今度はリハビリとQOLの関係性について解説します。

結論として、介護・看護・リハビリ職の関わりでは利用者さんのADLを自立させることも、QOLを高めることも大切になります。身の回りのことが自分でできるようになると、結果的に利用者さんの満足度が高まる可能性がありますからね。ただ、先程の通りにADLとQOLには違いがあり、必ずしも「ADLの自立=QOLの向上」という関係性が成立するわけではないのです。ADLが安定していることと、QOLが高いことは必ずしもイコールにならないという事を念頭におきながら、利用者さんのリハビリを進めていく必要があります。もう少し具体的な例では、これから紹介するAさん、Bさんのケースから、それぞれが感じる満足度や生きがいにどのような違いがあるか?ADLとQOLの関係性の視点から考えてみましょう。

 Aさん

日常生活(ADL)が自立しており、身の回りのことは一通り行える。
だけど・・・
趣味や生きがい、毎日の楽しみがなく、張り合いのない毎日を過ごしている

高齢の男性がリハビリについて思案している

 Bさん

病気で左手が麻痺しており、日常生活(ADL)に介助が必要。
だけど・・・
趣味の切り絵を再開するためリハビリを行い、左手も動かして作業が行えるようになった。コンクールにも見事入選して表彰された。結果として、「自分にもまだまだできることがある」と満足感や達成感が得られ、リハビリ意欲もより高まった!

高齢夫婦が趣味の写真を楽しんでいる
上記の例からも分かるように、ADLが高い状態であれば、比例してQOLも高いとは限りません。しかし、ADLとQOLの両者には深い関係性があります。病気や障害があるかどうか、ADLが自立しているかどうかだけでなく、身体的・精神的・社会的にご本人が満足のいく状態にあるという事が、生活の質につながっていきます。第三者の視点のみで「あの利用者さんは毎日楽しそうだな」「介助が必要な方はQOLが低いだろう」と決めつけてしまうのではなく、ご本人の言葉で「思い」を語ってもらうことが大切です。そして、QOLが高ければADLをないがしろにして良いというわけではないため、バランスを考えて対応していく必要もあります。
リハビリテーションという言葉には「Re(再び)」「Habilis(適した・ふさわしい)」という意味があります。「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きられるようになる」という意味ともいえるでしょう。つまり、広義ではリハビリ=QOLの向上ともとれます。リハビリQOLは切っても切り離せないものなのです。

【ポイント】
▶︎ 生活に必要な動きが向上する事で、生きがいや満足感が必ずしも向上するとは限らない
▶︎ 身体的・精神的・社会的にご本人が満足のいく状態にあることが、生活の質につながっていく

 

QOL向上につながるリハビリとは?

医療・福祉の現場で様々な利用者の方を担当させて頂く中で、私が感じた重要なポイントがあります。利用者さんそれぞれが様々な症状を抱えていますが、ADL向上に比例して、しっかりとQOLが向上している方々には共通点があるという事です。それは「利用者さんとセラピストの信頼関係が厚い」という事です。リハビリを行うのですから「姿勢が良くなった」「歩く速度が速くなった」という客観的な改善はとても重要です。しかし、それと同時に大切なのは、利用者さんが直接にセラピストと顔を合わせ、利用者さんが遠慮することなく「自分のなりたい姿やリハビリをするにあたっての思い」を伝えて、それを治療者が真摯に受け止めて自身のリハビリに落とし込むという、確かな信頼関係なのではないでしょうか。リハビリを開始する前段階のコミュニケーションの場であるカウンセリングですが、この段階から治療者と密なコミュニケーションをとることが重要と私は考えます。治療者が広い視野で物事をとらえて利用者さんのニーズを十分に汲み取って、培った経験と手技でADLの向上を図り、同時に利用者さんの満足度や達成感、つまり「QOLの向上」にもつながっていくのです。

【ポイント】
利用者さんと治療者の確かな信頼関係がADLとQOLの向上につながる

リハビリでつくられた折り紙の紅葉

QOL向上のための取り組み

私は長年の経験から、カウンセリングの場で大切なのはまず、利用者さんの悩みや達成したい目標をしっかりと聞く事だと思います。利用者さんが思っていることを話しやすい環境作りや施設の雰囲気も合わせて大切ですね。利用者さんの思いは様々で、「旅行に行っておいしいご飯を食べたい」「買いものに行きたい」「車椅子を卒業したい」など、多種多様なニーズがあります。リハビリZONE岐阜では1人の利用者に対して、1人のセラピストが最初から最後まで一貫して担当します。また、リハビリを行う時間も1回あたり60~120分と長く、1単位20分が目安の医療・介護保険下のリハビリと比べても圧倒的にコミュニケーションの量が多くなります。結果として、利用者さんの思いをセラピストにより深く理解してもらうことが可能です。ご自分に適したリハビリ施設の選択は、ご本人はもちろんご家族の今後の生活にも影響する大切な選択なのです。もし、リハビリの方向性や施設選びに迷っている方がお見えでしたら、私たちにお声かけください。しっかりと時間をかけて、皆様の思いに耳を傾けさせて頂きます。
自費リハビリでの療法士と利用者女性のカウンセリングの様子

【ポイント】
▶︎ リハビリ前のカウンセリングが原点
▶︎ セラピストの熱意と密なコミュニケーションが「信頼関係とリハビリの結果」につながる

 

まとめ

★ 「QOLが高い」というのは生き甲斐や満足感があり、心身の苦痛がない状態のこと
★「ADL」とは日常生活を送るために必要な基本的な動作のこと
★ 生活に必要な動きが向上すると、生きがいや満足感が必ずしも向上するとは限らない
★ 身体的・精神的・社会的にご本人が満足のいく状態にあることが、生活の質につながる
★ 利用者さんと治療者の確かな信頼関係がADLとQOLの向上につながる
★ リハビリ前のカウンセリングが原点。セラピストの熱意と密なコミュニケーションが信頼関係とリハビリの結果につながる

いかがでしたか?
今回の記事を通して自費リハビリを知っていただき、少しでも多くの方に興味をもって頂ければ幸いです。また、リハビリの施設選びや、どんなセラピストなら信頼できるのか迷っている方々の参考になることを願います。自費リハビリという選択をすることで皆様の人生に笑顔が戻りますように。

 

リハビリZONE岐阜では、『リハビリで笑顔を再生!!』を合言葉に、ボイタ法による施術とHAL®︎を用いた機能訓練を中心とした自費リハビリを行っております。これまでにリハビリで思うような結果が出ず諦めていた方、現在身体のことでお悩みのある方、もっとリハビリをしたいとお考えの方など、様々なニーズにお応えするための手段を多数ご用意しております。是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。

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