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2024.06.16

【理学療法士が解説】脳卒中の後遺症と転倒リスクについて

こんにちは、リハビリZONE岐阜の理学療法士、松田裕之です。今回は脳卒中の後遺症で体の動きに制限が生まれた結果、誰もがヒヤッとした経験がある「転倒リスク」について、分かりやすくお伝えします。脳卒中後遺症と転倒は特に高齢者にとって重要な健康上の問題となっています。この記事では、脳卒中と転倒の関連性について解説し、それらを予防して適切に対処するための方法についてもご紹介していきます。脳卒中後の後遺症でお悩みの方はもちろ、そのご家族や脳卒中後の方に関わるすべての方に必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください!

【理学療法士が解説】脳卒中の後遺症と転倒リスクについて

脳卒中とは?

脳卒中は脳の血管に問題が生じて血液の流れが阻害されることで脳細胞がダメージを受ける状態です。脳卒中は脳梗塞脳出血の2つの主要なタイプに分類されます。「脳梗塞」は脳血管が閉塞して血液の流れが止まることで起こります。一方、「脳出血」は血管が破れて脳内に出血がひろがることで起こります。脳卒中の後遺症は脳の損傷の程度や部位によって異なりますが、一般的なものとして以下のようなものが挙げられます。これらの後遺症は個人によって異なり、リハビリテーションや適切な治療を通じて改善することができる場合もあります。後遺症の状態に合わせて、専門医や理学療法士の指導のもと継続的なケアが必要です。

脳卒中の後遺症

【理学療法士が解説】脳卒中の後遺症と転倒リスクについて・麻痺や筋力低下
⇒脳卒中が起こった脳の部位に応じて体の一部または片側が麻痺したり、筋力が低下することがあります。これは脳の運動コントロール領域への損傷によるものです。

・感覚障害
⇒脳の感覚を制御する領域が損傷されると感覚障害が生じることがあります。触覚、温度感覚、痛覚などが影響を受けることがあります。

・言語障害
⇒脳の言語中枢が損傷されると言語障害が起こることがあります。これには話す能力や言葉の理解能力の低下などが含まれます。

・認知機能の低下
⇒脳卒中後には、記憶力や注意力、思考力などの認知機能が低下することがあります。これにより日常生活や社会活動にまで影響を与えることがあります。

・情緒や行動の変化
⇒脳卒中の影響により情緒や行動が変化することがあります。うつ症状、不安、興奮、情緒の不安定さなどが報告されています。

脳卒中後は転びやすい?

脳梗塞や脳出血、脊髄損傷等により脳や神経に異常をきたすと部位によって運動麻痺が生じ、多くは経過とともに痙縮(けいしゅく)が出現します。その痙縮は筋肉がこわばってしまう「筋緊張亢進」という症状が見られ、痙縮筋は硬くなりがちで、運動の制限や動作の阻害因子となります。これらの症状が組み合わさることで、筋力、感覚、運動能力、バランス能力の悪化につながり、転倒のリスクを高める要因となります。また、脳卒中後のリハビリテーション期間中には少しずつ体の動きに改善が見られ、ご自身で行える生活動作も増えて活動範囲も広くなります。しかし、活動量が増えるという事は、それだけ必要な筋力、バランス感覚、注意力が必要となるため同時に転倒のリスクが高まります。

【理学療法士が解説】脳卒中の後遺症と転倒リスクについて

転倒の予防と安全な生活動作の獲得

体の機能の改善に加えて安全な生活動作を修得して転倒を予防するためには、適切なリハビリと健康な生活習慣を維持することが重要です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。また、脳卒中の再発や心疾患、糖尿病など、病状や持病を悪化させるリスクファクターである高血圧や高コレステロールなどの管理も欠かせません。さらに、生活圏となる居室やご自宅での生活を転倒なく安全に過ごすため、家の中の障害物を取り除く、滑り止めの靴を履くなどの対策を講じることも重要です。脳卒中後の転倒予防は重要です。転倒は脳卒中後の生活においてよく見られる問題であり、再入院やケガのリスクを増加させる可能性があります。以下に、脳卒中後遺症の転倒予防に役立ついくつかのポイントをご紹介します。

転ばないために必要なこと

・リハビリプログラムへ参加
⇒病院・介護施設・自費リハビリ施設など、理学療法士が活躍するリハビリ施設と積極的に関わることで、正しい運動フォームや動作を分析、確認して筋力やバランスを改善、転倒リスクを低減できます。リハビリテーション専門家が個々のニーズに合わせたプログラムを提供し、安全に活動するためのポイントや方法も知る事ができます。

・自分に合った歩行補助具の使用
⇒リハビリテーションスタッフとの関りで重要なポイントとして、適切な歩行補助具を使用することが挙げられます。転倒予防のためにはリハビリテーションと並行して適切な歩行補助具の使用が重要です。杖や歩行器などの補助具は、バランスをサポートし、歩行中の安定性を高めます。リハビリZONE岐阜でも担当療法士がマンツーマンで、歩行補助具の選定や生活環境に関するアドバイスや助言を積極的に行っています。

・安全な環境の整備
⇒先程お伝えした通りに、転倒を予防するためには家の中の障害物を取り除き、滑り止めの床を使用するなど、安全な生活環境を整えることが重要です。移動に関する場所には手すりを設置したり、高い段差には段差解消のスロープや手すり付きの階段などを設置する事が検討出来ます。リビングはもちろんですが、浴室内に手すりを設置するなどの住宅改修も外せないポイントです。

・適切な靴の着用
⇒歩行補助具に類似する点ですが、転倒を予防するためには安定性の高い靴を選ぶことが重要です。滑りにくい靴底やしっかりと足を固定する構造の靴を選ぶことで、歩行中の安全性が向上します。リハビリZONE岐阜でも屋内外それぞれ異なった環境下において、どの様な靴が体の状態に合っているかなど、カウンセリングしながらアドバイスを行っています。

・専門家のもとで適切なリハビリ
⇒脳卒中後遺症に対する直接的な関わりとして、やはりリハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)とマンツーマンで行う機能訓練やバランス訓練を継続することで、体の反応を正しく整えて、筋力やバランス感覚を改善することができます。もちろん、歩行状態も改善するため、転倒リスクの低減に大きな効果を発揮します。様々な後遺症が出現する脳卒中ですが、身体機能改善や転倒予防には、継続的なリハビリテーションがもっとも重要です。ご本人様、ご家族様、ご友人、リハビリ専門職など周りの方々との協力を通じて、個々の状況に合わせた最適な予防策を見つけることが重要です。

【理学療法士が解説】脳卒中の後遺症と転倒リスクについて

万が一転んでしまった時は?

転倒発生時の対処 ~焦りは禁物!~
ここまでの項目で、「転倒しないためにはどうするか?」という内容を解説してきました。しかし、急な体調変化などの事情で転倒してしまった場合はどうしたら良いでしょうか?ここでは、転倒が起きてしまったとっさの時に、少しでも怪我の悪化を防止し、適切な対応が行えるようにポイントをご紹介します。ただし、脳卒中を経験した人に関わらず、転倒して体の状態に変化が生じたり、体の症状は無くても不安が残る場合には速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが不可欠である事には変わりありません。

・安全を確保する
⇒まず優先したいのは転倒した方の安全を確保します。周囲に危険がないかを確認し、追加のケガ(二次災害)を防ぐために状況を把握します。

・落ち着かせる
⇒転倒した方を落ち着かせて安心させます。パニックやストレスは状況を悪化させる可能性があるため、穏やかな声で話しかけ、支えることが大切です。

・救急医療の受診
⇒転倒後、重傷や異常を感じる場合は、すぐに救急医療機関を受診します。特に頭部や骨折の疑いがある場合は、適切な検査や治療を受ける必要があります。

・専門家の指示に従う
⇒転倒後は医師や医療専門家の指示に従います。体の状態をチェックして、その後は適切な治療やリハビリテーションプログラムを行い、再発や転倒リスクを最小限に抑えるために取り組んでいきましょう。

【理学療法士が解説】脳卒中の後遺症と転倒リスクについて転倒後の対処は、迅速かつ冷静に行うことが重要です。状況を適切に評価し、必要な医療やケアを提供することで、被害を最小限に抑えることができます。

まとめ

脳卒中と転倒は、高齢者にとって深刻な健康上の問題です。しかし、適切な予防と対処法を身につけることで、そのリスクを軽減することができます。健康な生活習慣の維持や適切な医療ケアを通じて、脳卒中と転倒に対する予防的な取り組みを行いましょう。

脳梗塞・脳出血後遺症による運動麻痺によって手足の動かしにくさと動作障害が生じ、様々なお悩みや課題が浮かんでくるかと思います。小さなお悩みから大きなお悩みまで様々です。まずはリハビリ施設に相談してじっくりとカウンセリングを受けて、その後にリハビリやトレーニングを受けて頂くと、より効果が得られやすいです。リハビリZONE岐阜ではカウンセリング付きのリハビリ体験プログラムを準備して皆さまをお待ちしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

リハビリZONE岐阜では、『リハビリで笑顔を再生!!』を合言葉に、ボイタ法による施術とHAL®︎を用いた機能訓練を中心とした自費リハビリを行っております。これまでにリハビリで思うような結果が出ず諦めていた方、現在身体のことでお悩みのある方、もっとリハビリをしたいとお考えの方など、様々なニーズにお応えするための手段を多数ご用意しております。是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。

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