脳卒中のこと
2025.06.23
【理学療法士が解説】脳梗塞退院後に一度はみるべき! 生活のための総合ガイド(後編)
今回は脳梗塞退院後により良い生活をおくるための総合ガイド(後編)です。後編ではリハビリや予防、保健制度などについて詳しく解説しています。まだ前編をご覧になっていない方は是非前編も参考になさってください。
目次
後遺症別に行うべきこと
運動障害への取り組み
脳梗塞の後遺症としてもっとも多く見られるのが、手足の麻痺や筋力の低下といった「運動障害」です。動かしにくさは日常生活に直結するため、ご本人にとってもご家族にとっても大きな課題になります。
こうした状態に対しては、まずは安全に身体を動かすことが第一です。リハビリの初期段階では、歩行補助具や装具を活用しながら、少しずつ体のバランスを整えていきます。正しい姿勢や動作のパターンを身体に覚えさせることが、転倒予防やスムーズな動作につながります。とくに「歩くこと」は、全身のバランスや筋力を必要とするため、慎重なトレーニングが求められます。専門家のサポートを受けながら、最初は短距離の歩行や立ち上がり練習など、小さな動作から始めましょう。
上肢(腕や手)のリハビリでは、食事や着替えといった日常動作を想定した練習が効果的です。繰り返し動かすことで神経と筋肉の連携が再構築され、動かしやすくなる可能性が高まります。自宅でも、ちょっとした動作を意識することでリハビリの効果が上がります。たとえば、テーブルを拭く動作や、ペットボトルのフタを開ける練習など、生活の中でできることを取り入れてみましょう。
何よりも大切なのは、「できた!」という成功体験を積み重ねること。それが自信につながり、リハビリの継続意欲にもなります。
言語障害・構音障害への取り組み
話すこと、伝えることが難しくなる――それはご本人にとって、とてもつらい変化です。言葉がうまく出てこなかったり、発音が不明瞭になることで、周囲とのやりとりがぎこちなくなるケースも少なくありません。このような言語障害や構音障害には、言語聴覚士による専門的な訓練が非常に効果的です。発声練習や発語の練習など、ご本人の状態に合わせたプログラムが組まれます。
家庭内でも、できる工夫があります。たとえば、話すペースをゆっくりにしたり、筆談やジェスチャーを活用することで、意思疎通のしやすさが格段に上がります。「ちゃんと話せないから」といって話す機会が減ってしまうと、さらにコミュニケーション力が低下してしまうことがあります。うなずく、指差す、笑うといった“ちいさな表現”も大切にしながら、日常の中で「伝える・伝わる」時間を少しでも多く持つようにしましょう。周囲の人が「わかりやすく聞き取ろう」とする姿勢や、じっくり待つ余裕も、本人にとっては大きな励みになります。
高次脳機能障害への取り組み
高次脳機能障害とは、記憶、注意、判断、感情のコントロールなど、“心の動き”に関わる機能が損なわれる症状のことです。外見ではわかりづらいため、誤解されたり見落とされたりしやすい後遺症でもあります。具体的には、「やることを忘れる」「話の流れがつかめない」「急に感情が不安定になる」といった変化が見られることがあります。ご本人も「なぜうまくできないのか分からない」と戸惑い、周囲との関係がギクシャクしてしまうことも…。
このような障害に対しては、生活の中で支える工夫が必要です。予定を書き出す、手順をチェックリストにする、部屋に目印をつける――そんな“ちょっとした工夫”が、日々の混乱を減らす助けになります。また、家族や周囲の理解も非常に重要です。「なんでできないの?」ではなく、「こうしたらやりやすいかな?」と寄り添う姿勢が、回復を後押しします。本人の「できること」に目を向け、少しでも自立した生活ができるような環境づくりを意識していきましょう。
脳梗塞の再発予防のために
脳梗塞は、一度発症すると再発のリスクが高まる病気です。だからこそ、退院後の生活でいかにリスクを管理し、良い習慣を続けられるかが、健康維持のカギを握っています。
生活習慣の見直し
再発を防ぐには、高血圧・糖尿病・高コレステロールといった生活習慣病のコントロールが不可欠です。これは、毎日の積み重ねがものを言う世界。栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠という基本をしっかり守ることがとても大切です。「つい甘いものを食べすぎてしまう」「運動の習慣がない」など、完璧にできなくても大丈夫。まずは“気づくこと”、そして“できるところから変えること”が、何よりの第一歩です。
〜心と体の負担を減らすために〜
ストレスや睡眠不足、過労といった「見えにくい負担」も、再発リスクを高める要因となります。たとえば、仕事に復帰して無理をしてしまったり、人間関係のストレスをためこんだりすると、自律神経が乱れて血管に悪影響を及ぼすことがあります。
そうした負担を軽くするためには、日々の暮らしに小さな“ゆとり”をつくることがポイントです。好きな音楽を聴く、趣味にふれる、自然の中を散歩する――何気ないことでも、心と体の調子を整えるのに役立ちます。
血圧管理と定期検診の重要性
脳梗塞の再発を防ぐためには、「数字の見える管理」がとても大切になります。とくに血圧や血糖値のコントロールは、日々の健康維持の土台といえるでしょう。
〜血圧は“毎日の習慣”で見張る〜
高血圧は、血管に絶えず圧力をかけ続けるため、再発リスクを大きく高めます。毎日決まった時間に家庭血圧を測定し、記録をつける習慣を持つことで、異変に早く気づくことができます。もし急に血圧が高くなったり、数値に波があるようであれば、無理をせず主治医に相談しましょう。必要に応じて薬の調整や生活指導を受けることが、再発予防の大きな支えになります。
血糖値・コレステロール値にも注意
糖尿病や高脂血症のある方は、血液中の状態にも目を配る必要があります。定期的な血液検査や食生活の見直しを行い、数値の変化に合わせた対応をしていきましょう。また、薬の服用がある場合は、決められたタイミングで正しく飲むことが基本です。「忘れがち…」という方は、アラームを使ったり、薬カレンダーを活用するのもおすすめです。
睡眠・ストレスのコントロール
健康な血管を保つには、体を休める時間が何よりも重要です。とくに睡眠やストレス管理は、再発予防の“陰の主役”ともいえる存在です。
〜質の良い眠り〜
睡眠不足や夜更かしは、自律神経のバランスを乱し、血圧のコントロールを難しくします。寝る時間・起きる時間をできるだけ一定に保ち、就寝前はスマホやテレビを控えて、心を静かに落ち着けましょう。快適な睡眠のためには、枕の高さや室温、照明の明るさなど環境の見直しも有効です。
〜ストレスはこまめに“逃がす”〜
ストレスは溜め込まないことが肝心です。「話せる人がいる」「気分転換できる趣味がある」だけでも、心の安定に大きく貢献します。忙しい毎日の中でも、10分だけ深呼吸する時間をつくる、空を見上げて気持ちを整える――そんなささやかな時間が、心と体のバランスを保ってくれます。
退院後に利用できる支援制度・サービス
脳梗塞からの退院後、「これからどうやって生活を整えていこう?」と不安になる方も多いと思います。ですが安心してください。世の中には、そうした不安や困りごとに対応するための制度やサービスがたくさん用意されています。ここでは、利用できる公的支援や民間サービスをわかりやすくご紹介します。
公的制度の活用(介護保険)
まず基本となるのが「介護保険制度」です。要介護・要支援の認定を受けると、訪問リハビリやデイサービス、福祉用具の貸与など、さまざまな支援を受けられます。申請は市区町村の窓口で行い、認定後は「ケアマネジャー」と呼ばれる専門職が生活状況に応じた支援計画(ケアプラン)を一緒に作ってくれます。病院の退院調整担当者や地域包括支援センターでも手続きの相談に乗ってもらえるので、まずは「困ったら相談!」が基本です。
民間サービスや地域の支援
介護保険以外にも、NPOやボランティア団体が行っている外出支援や配食サービス、電話相談などもあります。また、自費にはなりますが、保険ではカバーしきれない専門的な訪問リハビリや家事支援を提供する民間サービスも利用できます。
「費用はかかるけれど、安心して生活を送りたい」
そんなときは、こうしたサービスを必要に応じて組み合わせることも有効です。
何から始めればいいか分からないときは…
どんな制度が使えるのか、何を優先して準備すべきか分からない場合は、地域の「地域包括支援センター」や病院の「医療ソーシャルワーカー」に相談するのが一番の近道です。こうした専門窓口では、制度の選び方や申請手続き、経済的支援の情報まで、幅広くサポートしてもらえます。
介護保険を活用するポイント
退院後の生活をスムーズにスタートさせるためには、「どの制度が使えるか」「どんな手続きが必要か」を早めに把握することがとても大切です。特に重要なのが、介護保険と医療保険の活用です。この2つをうまく組み合わせることで、在宅でのリハビリや支援サービスを継続的に受けることができます。
まずは介護保険の申請
脳梗塞を経験した方の多くは、退院後に「要支援」や「要介護」の認定を受けることになります。認定されると、訪問リハビリやデイサービス、福祉用具のレンタルなど、多くのサービスを使えるようになります。申請は市区町村の介護保険窓口や、地域包括支援センターで行います。病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーに相談すれば、スムーズに手続きを進めるためのサポートも受けられます。
ケアマネジャーとプランを立案
介護保険の利用には、「どんなサービスを、どれくらい、どの順番で使うか」という計画(ケアプラン)が必要です。これは、ケアマネジャーが生活状況やご本人の希望に合わせて一緒に考えてくれます。リハビリだけでなく、入浴・食事・移動などのサポートを組み合わせていくことで、「自宅で安心して暮らす」ための体制が整います。
医療保険との併用は?
通院や在宅医療、訪問看護などは医療保険で対応できることがあります。介護保険だけでカバーしきれない部分を、医療保険で補うことで、より切れ目のないサポートが実現できます。たとえば、状態が不安定なときに主治医の訪問診療を受けたり、看護師が定期的に体調を見に来てくれたりといった支援も可能です。「制度ってなんだか難しそう…」と感じる方も多いと思います。でも、ひとりで抱え込まなくても大丈夫。専門家と一緒に、少しずつ進めていくことが、結果的にいちばん安心できる方法です。
障害年金・傷病手当金の申請方法
脳梗塞を経験された方の中には、「これからの生活費が不安」「仕事にすぐ戻れない」と悩まれる方も少なくありません。そんなときに力になるのが、障害年金や傷病手当金といった公的な経済支援制度です。
障害年金とは?
脳梗塞による後遺症が一定の基準を満たすと、「障害年金」を受給できる可能性があります。これは、日常生活や仕事に制限があると認められた方に支給される年金制度です。申請には、主治医が作成する「診断書」や「病歴・就労状況等申立書」など、いくつかの書類が必要になります。認定されるには、“いつ症状が固定されたか”を示す「障害認定日」や、どのくらい機能に制限があるかを評価する等級基準をクリアする必要があります。受給できる金額や期間は、障害の等級や加入している年金の種類(国民年金・厚生年金など)によって異なります。
傷病手当金とは?
脳梗塞を発症して仕事を休んでいる方には、「傷病手当金」という制度もあります。これは、健康保険に加入している被用者(会社員など)が、病気やケガで仕事を休まざるを得ないときに、収入を補うための制度です。
手続きの注意点
どちらの制度も、申請には時間と手間がかかることが多いです。書類の不備や内容の曖昧さで差し戻されることもあるため、できれば早い段階から準備を始めるのがおすすめです。また、年金事務所や社会保険労務士に相談すれば、申請のサポートを受けることもできます。自分だけで悩まず、専門家の力を借りることで、スムーズな手続きが進められます。
医療費補助や民間サービス
脳梗塞の治療やリハビリには、どうしてもお金がかかりますよね。入院費、通院費、薬代、交通費…知らず知らずのうちに、家計への負担が大きくなっている方も多いはずです。でもご安心ください。そんなときに頼りになる医療費の補助制度や、生活を支える民間サービスがいくつも存在します。
高額療養費制度
まず覚えておきたいのが、「高額療養費制度」です。これは、ひと月あたりの医療費が自己負担の限度額を超えた場合、その分があとから払い戻される仕組みです。限度額は年齢や収入によって異なりますが、大きな出費を一時的に抑えられるという意味で、とても大きな助けになります。退院後にまとまった費用を支払った場合は、忘れずに申請しておきましょう。
通院や交通費の補助
自治体によっては、通院にかかる交通費や、外出支援に対する助成制度を設けている場合があります。とくに地方では、バスやタクシーの補助券を配布していたり、送迎サービスを行っていたりするところも。こうした情報は、地域の福祉課や包括支援センター、あるいはケアマネジャーが把握していますので、「移動が大変だな」と感じたら一度相談してみてください。
民間サービスの活用
公的な支援ではカバーしきれない部分については、民間の有料サービスも検討の価値があります。たとえば、保険外の訪問リハビリや家事代行サービス、見守りサポートなど、暮らしを支える選択肢が広がっています。もちろん、費用はかかりますが、「家族の負担を軽減したい」「安全に在宅生活を送りたい」というニーズに応えてくれる手段として活用できます。「もらえるはずの支援を知らずにスルーしていた…」ということがないように、まずは情報を知ること、そして必要な支援を遠慮なく使うこと。それが、安心して暮らすための第一歩になります。
家族・介護者のサポート体制
介護する側のマインドセット
脳梗塞からの退院後、ご本人が安心して過ごすためには、家族や介護者のサポートが欠かせません。しかし、支える側も人間。長期にわたる介護は、身体的にも精神的にも負担がかかりやすく、「無理をしすぎないこと」がとても大切です。
つい、「自分が頑張らないと」と気を張ってしまいがちですが、介護は一人で完璧に行うものではありません。家族の中で情報を共有し、役割分担を明確にしておくことで、負担が偏るのを防ぐことができます。たとえば、食事の準備は誰がするのか、病院の付き添いは交代制にするのかなど、最初に「できること・できないこと」を話し合っておくだけで、心にゆとりが生まれます。
介護が長く続くと、疲労や孤独感、ストレスが知らず知らずのうちに蓄積してしまうことがあります。そんなときは、自分自身のケアも優先して大丈夫です。趣味の時間を持つ、友人とお茶をする、ちょっとした外出で気分転換する――それだけでも、心がほぐれるはずです。介護は“頑張りすぎないこと”が、実はとても大切なポイント。無理をせず、相談できる人と支え合いながら、長く続けられる環境を整えていきましょう。
第三者の力を活用する
訪問看護、訪問介護、デイサービス、ショートステイ――家族の負担を減らすためのサービスはたくさんあります。「疲れがたまってきたな」と感じたら、そういった制度をためらわずに活用してみましょう。また、ケアマネジャーや地域包括支援センターなど、困ったときに相談できる専門職とつながっておくことで、「いざという時」の安心感も得られます。
本人の心に寄り添う
脳梗塞の後遺症や再発の不安から、「迷惑をかけたくない」「自分は役に立っていない」と思い込んでしまう方も少なくありません。このような心の揺れに気づいたら、無理に励まそうとするのではなく、そっとそばに寄り添い、「いてくれてうれしいよ」「一緒にがんばろうね」といったシンプルな言葉をかけてあげてください。ときには、ただ話を聞いてあげるだけでも、心が軽くなることがあります。
介護者自身の健康
支える側もまた、精神的な疲れを感じることがあります。特に、長期の介護になると「こんな気持ちを誰にも話せない」と感じる瞬間が増えてくるかもしれません。
そんなときこそ、自分のための時間を持つことが必要です。読書、音楽、散歩、カフェ時間…ちょっとしたことで構いません。「自分を労わる時間」があるかどうかで、介護の質も持続力も大きく変わってきます。必要であれば、心理カウンセラーや地域の相談窓口に話を聞いてもらうのも良い方法です。
コミュニケーションの工夫
後遺症で話しづらかったり、意思の疎通が難しくなった場合でも、「伝えたい」「伝わってほしい」という気持ちは変わりません。表情、ジェスチャー、イラスト、筆談――言葉以外にも伝え合う手段はたくさんあります。また、お互いに話を“聞く姿勢”を持つことが、気持ちのすれ違いを防ぐ大切な鍵になります。何気ない「ありがとう」や「うれしいよ」の一言が、日々の関係をやさしく結んでくれます。
住宅改修や福祉用具の活用
脳梗塞を経験したあとの生活では、身体のバランス感覚や筋力が低下していることが多く、思わぬ転倒やケガにつながりやすくなります。だからこそ、ご自宅の環境を“安心して暮らせる場所”に整えることは、再発予防や生活の質の向上にとって非常に重要なポイントです。
自宅で注意すべきポイント
家の中のちょっとした段差や、つるつるしたフローリングが転倒の原因になることがあります。まずは、以下のような場所をチェックしてみましょう。
● 玄関の上がり框(かまち)
● 廊下と部屋の境目
● お風呂場やトイレの床
必要に応じて、段差解消のためのスロープや手すりを設置したり、滑り止めマットを活用したりすることで、転倒のリスクをぐっと減らせます。
手すりと動線
手すりは、玄関・トイレ・浴室・ベッド周辺など、「立ち上がり・移動・座る」動作が多い場所に設置するのがおすすめです。また、家具の配置も「つまづかない動線」になっているかを見直しましょう。歩行器や車椅子が通りやすいよう、通路の幅を広げたり、物を床に置かないようにしたりするだけでも、安心感が変わります。
福祉用具のレンタル制度
介護保険を利用すれば、歩行器や手すり、ベッド、ポータブルトイレなど、さまざまな福祉用具を“レンタル”という形で使用できます。「必要なものを、必要な期間だけ借りられる」という柔軟な仕組みなので、使いやすく、費用の負担も軽減できます。ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談すれば、ご本人の状態に合ったものを提案してもらえるので、まずは気軽に話をしてみましょう。住み慣れた自宅を、より安全で使いやすい空間に変えること――それは、安心して“自分らしく”暮らしていくための第一歩です。
脳梗塞後遺症における再生医療
「これ以上はもう良くならないかもしれない」
そう感じてしまうこともあるかもしれませんが、近年、脳梗塞後の後遺症に対して“再生医療”という新しい可能性が注目されています。これは、これまで「戻らない」とされてきた神経や細胞の回復を、科学の力で後押ししようとするアプローチです。
再生医療ってどんなもの?
再生医療とは、損傷を受けた組織や細胞を再生・修復することを目指す医療分野です。たとえば、iPS細胞や幹細胞といった細胞を用いて、脳の神経ネットワークの再構築を促す治療法が研究されています。また、再生因子と呼ばれる物質を注入することで、傷ついた血管や神経の回復を目指す方法も検討されています。これらは、従来のリハビリや薬物療法とは異なる、新しい“選択肢”として、期待が高まっている分野です。
ただし、現時点では再生医療はまだ発展途上であり、一般的な治療として広く普及しているわけではありません。臨床研究の段階にあるものも多く、費用も高額になりやすいという課題があります。また、治療を受けられる条件が限られていたり、安全性や効果の検証が続いている段階でもあります。ですので、もし関心がある場合は、まずは信頼できる医療機関や専門医に相談してみるのが良いでしょう。
今後の再生医療の可能性
今すぐ治療を受けることはできなくても、「こんな治療が研究されている」「もうすぐ臨床応用されるかもしれない」という情報を知っておくことは、将来の選択肢を増やすことにつながります。希望を持ち続けながら、正しい情報に触れ、自分や家族にとってベストなタイミングで判断できるように準備しておくことが大切です。
よくある質問(Q&A)
ここでは、脳梗塞から退院された方やご家族からよく寄せられる質問を、Q&A形式でまとめました。不安や疑問のヒントにお役立てください。
Q1:退院後、仕事に復帰できますか?
A:復帰は可能ですが、後遺症の程度や症状の安定度によります。まずは主治医と相談し、短時間勤務や軽作業から徐々に慣らしていく方法がおすすめです。会社側との調整も大切になります。
Q2:リハビリを行う頻度は?
A:保険制度の中では、週の利用回数に制限がある場合もありますが、自宅では毎日少しずつ継続するのが理想です。習慣化することで、機能の維持・改善につながります。
Q3:再発のために気をつけるべきことは?
A:血圧・血糖の管理、食事、運動、ストレスの軽減など、生活習慣の見直しが大切です。定期的な検診や、医師の指示を守ることも再発予防には欠かせません。
まとめ
脳梗塞を経験したあとの人生は、大きな転機でもあります。退院後の生活は、リハビリ・再発予防・制度活用など、考えるべきことがたくさんありますが、どれも「よりよく暮らしていくための準備」と言えます。このガイドでは、ご本人だけでなく、支える家族・介護者にとっても役立つ情報を詰めこみました。すぐにすべてを完璧にこなす必要はありません。できることから、少しずつ進めていくことが何よりも大切です。必要なときには、医療者や地域の支援者に頼ってください。遠慮せずに「助けて」と言えることも、大切な力のひとつです。リハビリは長く続く道かもしれません。ですが、その先には「今より少し良くなる明日」がきっと待っています。焦らず、一歩一歩、自分のペースで歩いていきましょう。
リハビリZONE岐阜では、『今よりもっと楽しい未来へ』を合言葉に、最先端の機器と専門的な技術・知識を駆使してあなたの回復を最大限サポートいたします。
リハビリは 「できることを増やし、次の目標に向かう挑戦の連続」 でもあります。私たちは、利用者様が 「もう変わらない」「限界かな」 と諦めるのではなく、「もっと良くなる」 という前向きな気持ちでリハビリに取り組めるよう、全力でサポートしていきます。
是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。
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