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脳卒中のこと

2024.06.27

脳卒中後の病院でのリハビリ ~いつ、何をするの?~

脳卒中後のリハビリは、病気からの回復し自立した生活を送ったり、生活の質を向上させたりするためにはとても大切な治療の一部です。今回は、脳卒中を発症して間もない時期(急性期〜亜急性期)に病院ではどのようなリハビリ・介入が行われるのかについて解説してみたいと思います。
脳卒中後のリハビリ ~いつ、何をするの?~

はじめに

脳卒中に対するリハビリは、脳卒中後に生じる身体機能の低下、認知機能の変化、感情の起伏、社会的な影響などの様々な変化に対処するために、医師だけでなく看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・臨床心理士・ソーシャルワーカーなど非常に多くの職種の人々が協力しながら進めていきます。リハビリは通常、患者さんが命の危機から脱したらすぐに開始されます。多くの場合は脳卒中後24~48時間以内に開始されるというスピード感です。

リハビリの目標

脳卒中リハビリの主な目標は以下の通りです。
◉身体機能の回復
これがリハビリの一番の目的といっても良いでしょう。脳卒中によって障害されてしまった身体機能を少しでも回復させ、日常生活の自立を目指すことはリハビリにおいてメインとなる部分です。

◉合併症の予防
ベッドの上で寝て過ごす時間が長くなることで生じる、床ずれ(褥瘡)・関節が固まること(拘縮)・深部静脈血栓症などが起こるリスクを少しでも減らします。

◉心理的サポート
患者さんが病気になったことに対するショックを受けるのはもちろんのこと、そのご家族も身近な人が脳卒中になってしまったことによる心理的影響を受けます。病気の治療や今後の生活に対する不安などに対処できるように支援するのもリハビリの一部です。

◉生活の質の向上
少しでも生活の質を向上させることで、脳卒中患者さんの幸福感を高めることを目指します。そのためには様々な職種による多角的なアプローチを行います。

脳卒中後の病院でのリハビリ ~いつ、何をするの?~

チームの編成と役割

チームを構成する職種とその役割には以下のようなものがあります。

<主治医>
通常は内科(神経内科)や脳外科など神経系疾患の専門家が担当します。全身の管理をしたり、治療方針を決めたりする、指揮官の役割を果たします。

<リハビリテーション医>
リハビリテーションに精通した医師が、患者さんの状態を把握して適切なリハビリの内容を指示します。

<理学療法士>
身体を動かしやすくする、関節の動く範囲を広げる、筋力を強化するなどといった内容に重点をおいたリハビリを行います。

<作業療法士>
指先の細かい作業を訓練するなど、患者さんの日常生活の自立を支援するようなリハビリを行います。

<言語聴覚士>
発語・言葉の理解だけでなく、コミュニケーション障害全般や、嚥下機能障害に対しても訓練を行います。

<臨床心理士>
あまり聞きなれない職種かもしれませんが、認知機能や感情の変化などの評価を行い、治療介入していきます。

<看護師>
脳卒中患者さんに特有の問題を知った上で、専門的なケアを行います。療法士だけでなく、看護師がリハビリのサポートをすることもあります。

<ソーシャルワーカー>
退院に向けての計画を作り、それぞれの地域にある脳卒中後の方が利用可能なサービスを案内したりします。

脳卒中後の病院でのリハビリ ~いつ、何をするの?~

急性期リハビリの前に

急性期(脳卒中発症後数日間)では、患者さんの安定とさらなる合併症の予防が最重要課題です。以下のような初期評価を行います。

<神経学的検査>
診察をして脳の損傷の程度と部位を確認します。

<画像検査>
CTやMRIなどの画像検査を行い、脳卒中のタイプと範囲や重症度を特定します。

<バイタルサインのモニタリング>
心電図・血圧計・酸素モニターなどを身体に装着し、バイタルサインと呼ばれる、血圧・心拍数・酸素濃度などに変動が起こらないかを24時間監視し続けます。

急性期リハビリの内容

早期にリハビリを導入することは非常に重要であることがわかっています。患者さんのバイタルサインが安定していれば、深部静脈血栓症や肺炎などの合併症予防、関節の可動性維持と身体機能の回復などを目的として、最初の24~48時間以内にリハビリが開始される事が多いでしょう。

ポジショニング

床ずれ(褥瘡)は同じ部位が2時間以上圧迫されていると起こると言われています。そのため、脳卒中発症直後で患者さんが自分自身で動けない時期には頻回に姿勢(体位)を変える必要があります。主に看護師による体位変換が行われます。これをリハビリと捉えるかは考え方にもよりますが、発症直後から様々な介入が必要であるということです。

ベッドサイドエクササイズ

集中治療室での治療が行われている状態でも開始されるリハビリです。ベッド上で横になったまま行えるような簡単な運動がメインです。ご自身で身体を動かす(自動運動)ことができればベストですが、それが難しい場合には療法士が寝返りを促したり、関節を動かしたり(他動運動)するだけでも十分に意味があります。関節可動域と筋力を維持することが目的です。

座位保持訓練

ベッドで横になっている状態から徐々に座った姿勢を保持する練習を行います。横になっていると重力の影響を受けませんが、座る姿勢を保持するためには重力に逆らう必要があるため、良いトレーニングとなります。座った姿勢を維持することは、体幹の筋力を使ったり、バランス感覚を鍛えたりするのに効果的です。

立ち上がり/歩行

介助を受けながら、患者さんが耐えられる範囲で立ったり歩いたりする練習をしていきます。初めは平行棒や歩行器などを使いながら徐々に負荷を増やしていきます。リハビリと聞いて多くの方がイメージするのはこの段階のトレーニングかもしれません。

装具

脳卒中により麻痺が起きてしまった場合、患者さん自身では麻痺した手足の関節を動かすことができなくなるため、関節が容易に固まってしまいます。(拘縮)それだけでなく、歩行訓練などをするにしても、つま先がひっかかったりしてリハビリが思うように進まないことがあります。それらを予防するために装具を装着することで関節を固まりにくい(固まっても機能障害が起きにくい)位置に保持することが可能となります。

脳卒中後の病院でのリハビリ ~いつ、何をするの?~

亜急性期リハビリの内容

亜急性期は、脳卒中後数日から数週間の期間のことをいいます。この段階では、脳の可塑性を利用して、機能回復を最大化することを目的として集中的なリハビリに重点をおき、その内容も多岐に渡ります。亜急性期のリハビリに移行するにあたっては、患者さん個々に対して最適なリハビリ計画を立てるため評価を行います。

・機能的自立度測定(FIM)
: 患者さんの日常生活における自立度を評価
・認知・感情評価: 臨床心理士が行う
・言語・嚥下評価: 言語聴覚士が行う

理学療法

亜急性期の理学療法では、関節可動性、筋力、バランスの改善に重点をおいて行います。
◉エクササイズ
筋力の強化、協調性の向上、心肺機能の強化がメインに行われます。

◉歩行訓練
歩行器や平行棒などの補助器具を使用して歩行能力を向上させることが目的です。

◉バランス訓練
立位・歩行時の安定性を高め、転倒を予防するための運動などを行います。

作業療法

作業療法士は患者さんの日常生活能力を向上させるためにリハビリを行います。
◉ADL訓練
着替え、入浴、食事などの日常生活動作(ADL)をできるだけ介助なしで行えるように訓練していきます。

◉家庭環境の評価
家庭環境を評価し、安全性と使いやすさを向上させるための改修を提案します。

◉認知リハビリ
記憶力、注意力、問題解決能力を向上させます。

言語療法

言語療法はコミュニケーションと嚥下機能の改善に重点をおきます。言語聴覚士による訓練が行われます。
◉発声練習
音を出す(構音)、流暢さを高める、言語能力を改善する訓練のことです。

◉嚥下療法
安全に飲み込む方法を学び、食べ物や飲み物が気管に入ってしまう、誤嚥を予防するためのテクニックを修得します。誤嚥は肺炎の原因となるため、嚥下機能は脳卒中後の合併症を減らすためには非常に大切な部分です。

心理的サポート

脳卒中後の心理的影響に対処することは非常に重要です。主に臨床心理士が担当する分野です。
◉カウンセリングと心理療法
患者さんの想いをじっくりと聞くためのカウンセリングを行い、抑うつ、不安、その他の感情的な問題に対してサポートします。

◉認知行動療法(CBT)
「私はもうだめだ」「病気が良くなって今まで通りに過ごせることはないだろう」などといった否定的な思考パターンに対処し、肯定的な考えを持てるようにサポートします。それにより前向きな行動を促進します。

◉家族支援と教育
家族への教育と支援を提供し、病気に対する理解や患者さんの状況に対する理解を助け、リハビリが円滑に進むようにしていきます。

栄養サポート

回復には適切な栄養摂取が不可欠です。管理栄養士などが評価やカウンセリングを行います。
◉食事の評価
患者さんの栄養状態を評価して、不足している栄養素を補うような食事を提案します。

◉調整食
嚥下障害のある患者さんに対しては、誤嚥のリスクが減るような形態の食事(きざみ食・流動食など)への変更をします。

◉栄養カウンセリング
回復をサポートするための健康的な食事方法について患者さんとご家族を教育することも大切なサポートの一部です。

脳卒中後の病院でのリハビリ ~いつ、何をするの?~

退院に際してのサポート

時間の経過とともに患者さんの回復が進み、自宅での生活が可能となってきます。退院後の計画をたてることもリハビリの重要な側面となります。
◉居住空間の評価
自宅の段差や手すりの有無などを確認し、安全で生活しやすい家庭環境を目指します。環境が整っていない場合には、退院前に工事をしたり、補助具のレンタルを行ったりします。

◉自宅での運動プログラム
患者さんが自宅でもリハビリを続けられるように、オーダーメイドの運動プログラムを提供し、機能の改善を目指し続けます。

◉地域のサポート
支援グループや外来治療サービスなどの地域で受けられるサポートに関する情報を患者さんやご家族に紹介します。

まとめ

急性期〜亜急性期における脳卒中後のリハビリは、多くの職種が関わる包括的なプロセスであるため、多職種チームの協調的な努力が必要です。それぞれの関わり方は多様ですが、共通の目的は、脳卒中患者さんの機能回復、合併症の予防、心理的適応、生活の質を向上することにあります。早期介入と個々の状況に合わせたリハビリ計画は、脳卒中からの回復を目指す患者さんにとっては期とても重要なものなのです。

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