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脳卒中のこと

2023.12.03

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリを正しく知ろう〜

こんにちは、リハビリZONE岐阜の理学療法士、松田裕之です。
昨今の急速な高齢化社会の到来により、以前よりも「脳卒中」という病気を身近に感じることが増えてきたと思います。今回は理学療法士業務の傍らで介護に関する相談援助の場にも携わった経験を踏まえて、脳卒中に関して正しい病気の知識や後遺症の症状に合わせた治療につながるポイントを分かりやすくお伝えします。実際に患者様やご家族様から多く聞かれた質問に対する解答も取り入れながら解説しています。ぜひとも、最後までご覧になってください。ご自身やご家族など、身近な人が脳卒中になったとき、脳卒中の症状別に知っておきたい情報をまとめました。

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリを正しく知ろう〜

・脳卒中って色々な呼び方がったような気がする・・・?
・どんな後遺症があるの・・・?
・症状に合わせたリハビリって・・・?

治療後や退院後に患者様が目指す「元の生活」に少しでも近づけるように、一緒にポイントを知っていきましょう。

脳卒中ってどんな病気?

脳卒中は、脳の血管に突然起こる障害の総称で、医学的には「脳血管障害」と呼ばれています。一般的に知られている病名としては「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」などが多いのではないでしょうか。現在の日本は急速な高齢化社会の到来により、脳卒中を発症するリスクが高まってくる高齢者層の人口が増えており、食生活の欧米化に伴う生活習慣病の患者様も増加しています。イメージしやすい通りに高齢者や高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病の患者様は脳卒中を発症する可能性が高く、今後も脳卒中患者は増えると言われています。

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリテーションを正しく知ろう〜

「脳卒中」の代表例

 

脳卒中の代表的な症状は?

①体に現れる症状

脳卒中を発症してもどのような症状後遺症が現れるかは、脳血管の損傷を受けた部位によって異なり個人差が大きいと言えます。脳の領域の中で運動に関わる脳の部位に障害が起こると、体が思うように動かせない、手足が麻痺する、考えても思うように力が入らないなどの症状がみられます。通常は脳の障害が起きた部位の反対側に運動機能障害がみられるのが特徴で「片麻痺」や「半身麻痺」と呼ばれます。また、運動に関する部分で障害が起こるのと同様に、半身の感覚が麻痺したり、しびれたり、触ったり、痛い、という感覚が鈍くなる「感覚障害」という症状も同時に出現する事があります。目に見える部分以外でも、意識や頭がすっきりしない等という意識障害、食べ物の飲み込みが難しくなる嚥下障害や言葉が話しづらくなる構音障害、物忘れや周囲の環境に対する注意力や集中力が著しく低下してしまう高次脳機能障害、便秘や血圧変動などの自律神経障害も出現する事が多いです。精神的な面でもうつ症状や不安、感情が抑えきれなくなる感情失禁などの精神面の症状であったりと、極めて多種多様なのです

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリテーションを正しく知ろう〜

②日常生活に関連する症状

脳卒中における症状や後遺症として忘れていけないのが、代表的な症状が引き金となって、「当たり前だった日常生活」に支障が出てしまう点は当事者の方々にとって非常に大きな課題です。先程の代表的な症状に加えて、麻痺などの運動機能障害によって自由に体を動かせなかった結果、関節が硬くなる関節拘縮(かんせつこうしゅく)、筋肉量が減ってやせ衰える筋萎縮(きんいしゅく)、ベッド上の生活が多くなるがために体を使わない事が増え、結果としてさらなる運動障害や骨粗鬆症、床ずれ、認知症が進行してしまうという点にも注意が必要です。寝たきりになってしまう要因や原因疾患は様々ですが、医療福祉の現場ではこれらの症状は廃用症候群(はいようしょうこうぐん)と呼ばれています。日常生活の視点では、手足の麻痺や感覚障害によって、以前の様にベッドから起き上がる事や歩く事が難しくなる歩行障害、言語障害の影響で思うように意思を伝えられないために生じる書字やコミュニケーションの障害なども生活課題の一つです。これらの結果、今までは当たり前だった日常生活に支障が出てしまい、趣味や仕事、家事を行えなくなることもあります。

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリテーションを正しく知ろう〜

脳卒中の後遺症治療について

脳卒中の後遺症に対するリハビリテーションは、身体機能全体の回復を支援し、新たな生活への道を開く重要なステージです。脳をはじめとする神経機能の回復メカニズムは解明されていない領域が多いのは確かですが、少なくとも早期にリハビリテーションを開始する事で、症状の回復度合いである予後は格段に良くなることが分かっています。先程お伝えした様々な障害にアプローチし、患者様のより良い生活を一緒に目指すため、一人ひとりの障害・程度に応じたリハビリテーションを行うことで、その人がもともと行っていた日常生活にスムーズに戻れるようにしていくことが重要なのです。また、脳卒中におけるリハビリテーションはご本人だけでなく、ご家族やご友人などの周りのサポートや理解も重要なポイントとなってきます。一般的に脳卒中リハビリは、発症してからの病気に合わせて急性期⇒回復期⇒生活期の大きく3段階に分けられます。 病院のリハビリ現場では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそれぞれの専門性を発揮して、できるだけ速やかに患者様の最大の身体能力を引き出すべくチーム医療を大切にしながらリハビリテーションが展開されています。このようにして、個々の患者様の身体機能を最大限に伸ばし、日常生活の自立度(自分で行えること)を向上させ、より質の高い生活を営むことができるように関わっています。

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリテーションを正しく知ろう〜

脳卒中後のリハビリの種類

何を目標にどんなリハビリテーションを行うかは、体の状態ごとに異なります。後遺症の回復具合や日常生活動作の様子をカウンセリングで聴取・チェックして個々の患者様の症状に合わせたリハビリメニューを提供していく必要があります。リハビリテーションとは単なる動作を反復する訓練や筋力トレーニングだけではなく、患者様の病後の「日常生活」や「人生そのもの」をより良いものにすることを目的としているのです。

理学療法

脳卒中の後遺症に対して行う理学療法では、歩行訓練、持久力向上訓練、基本動作訓練、日常生活動作訓練と呼ばれるリハビリを行います。どの程度の運動機能の障害がどこにあるのか、筋力や関節の動く範囲、基本動作がどの程度可能かを評価します。次に基本動作の自立を目指し、様々なリハビリが始まります。
<歩行訓練>
屋内や屋外を安全に歩けるよう訓練をします。症状に応じて、杖などの歩行補助具や装具などを用いながら取り組みます。
<基本動作訓練>
寝返りする、起き上がる、立つ、座るといった基本的な動作を無理なく安全に行えるように訓練します。
<日常生活動作訓練>
日常生活に必要な階段の上り下り、トイレ動作、入浴動作、着替え動作などを訓練します。
<HAL®︎による訓練>
世界初の装着型サイボーグです。医療業界ではもちろん介護業界でも注目されはじめている最先端のテクノロジーで、HAL®︎では皮膚に貼ったセンサーで脳からの電位信号を感知することで、頭の中でイメージした通りの動きをロボットが実現してくれます。HAL®︎のサポートを受けながら理想的な四肢の運動を繰り返して身体に記憶させます。理学療法士による施術と併用することでより効果が大きくなります。

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリテーションを正しく知ろう〜
<ボイタ法による施術>
ボイタ法は非常に優しい手法なので、強い痛みを伴うような手技やボキボキと音を鳴らすような派手なパフォーマンスはありません。毎回のリハビリで少しずつ身体に生じる変化を実感しつつ、それを繰り返すことで理想的な身体の使い方を定着させていきます。
ボイタ法ついてはリハビリZONE岐阜の公式Youtubeチャンネルでも紹介していますのでぜひご覧ください!

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリテーションを正しく知ろう〜

作業療法

作業療法では麻痺した手を積極的に使う訓練や、調理器具や道具が正しく使えるように日常生活に必要な作業の訓練などを行います。

CI療法

積極的に麻痺した手を使うことで、手を使う頻度や質を向上することを目的に行う脳梗塞のリハビリ方法です。

言語聴覚療法

脳梗塞を発症すると言語の障害や摂食嚥下の能力も低下します。言語聴覚士が言語の訓練を行い、言葉の出やすさ、想起などの言語機能を高めることで、日常のコミュニケーションを円滑に進められるのです。

脳卒中後の目的別のリハビリ

高次脳機能障害を防ぐためのリハビリ

注意障害や遂行機能障害、半側空間無視、失行、失認などさまざまな機能評価を行い、先ず障害を認識して頂くことから始めます。次にその人の障害に応じて、日常生活動作を確実に危険なく行えるにはどのような点に注意すべきか理解を深め、繰り返し訓練を行います。

ご家族を交えたリハビリ

リハビリは、病院や自宅、デイサービスなどでリハビリの専門家と行う内容だけを指すのではありません。専門家が関わる時間は日常の一部になります。そのため、ご自身で運動することも大事にしながら、ご家族と運動や訓練を行うことも後遺症治療のポイントです。ご自宅やご家族が行うと言っても、難しいことを行うことはほとんどなく、一緒に歩くことやベッド横で立ち上がる訓練を見守るなど、安全で無理のない範囲から少しずつ始めていきます。

食事と栄養もリハビリの一部

栄養バランスが良い食事は脳卒中の再発予防にもつながるため非常に重要です。水分摂取にも気を付けながら、脳と体の健康のために必要な栄養素をバランスよく摂取していきます。

心理的サポート

脳卒中のリハビリテーションは身体的な回復だけでなく、心の健康にも目を向ける必要があります。脳卒中の後遺症という今までに無い不安や悩みを抱える事があります。ご家族様や福祉事業所の関係者、他の脳卒中患者様と経験を共有するなど、心の健康への配慮も重要である事を心がけます。心の健康も脳卒中におけるリハビリでは大切なのです。

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリを正しく知ろう〜

まとめ

いかがでしたか?脳卒中の代表的な症状や後遺症について知り、治療のためにはどのような点に気を付ければ良いか理解が深まりましたら幸いです。脳卒中におけるリハビリテーションの進め方では早期のリハビリテーションが大切です。また、発症後は後遺症が残ることも少なくありません。後遺症の治療後も脳の細胞がダメージを負った事で、体の麻痺や感覚の障害が後遺症として残る可能性があります。後遺症によっては、治療後も日常生活に影響が出ることもあるので、ご自分やご家族が脳卒中になったときは、脳卒中自体の症状だけでなく後遺症まで知っておくことが大切です。これまでお伝えした通り、脳卒中のリハビリテーションプログラムは複数の要素が組み合わさって展開されていきます。これらのアプローチを適切に受けて、「笑って長生き」できる新たな人生への一歩を踏み出しませんか?

【理学療法士が解説】意外と身近な病気「脳卒中」 〜後遺症と脳卒中後のリハビリテーションを正しく知ろう〜

リハビリZONE岐阜では、『リハビリで笑顔を再生!!』を合言葉に、ボイタ法による施術とHAL®︎を用いた機能訓練を中心とした自費リハビリを行っております。これまでにリハビリで思うような結果が出ず諦めていた方、現在身体のことでお悩みのある方、もっとリハビリをしたいとお考えの方など、様々なニーズにお応えするための手段を多数ご用意しております。是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。

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