脳卒中のこと
2024.07.08
脳梗塞には前兆がある!? ~TIA(ティー・アイ・エー)という病気~
実は脳梗塞には前兆があるケースが多いってご存知でしたか?一度起きてしまうと元には戻らない(不可逆性)ような重度の麻痺が発症する前に、脳梗塞による症状が一時的にみられることがあります。このような状態のことをTIA(てぃー・あい・えー)、日本語では、一過性脳虚血発作といいます。
TIAのメカニズム
TIAは基本的に脳梗塞と同じ状態です。TIAになるリスクの高い人は脳梗塞と同様に高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を背景にもつ方です。血管の狭くなった場所に突然血の塊(血栓)が詰まることで発症するのですが、脳梗塞との違いは血栓が消えるか・消えないかにあります。脳梗塞では、血管を詰まらせてしまった血栓は勝手になくなりません。そのため、治療では血栓を溶かすような薬を使います。一方、TIAでは何らかの理由で血栓が脆かったり、壊れやすかったり、溶けやすかったりするために、一時的に血管を詰まらせてしまうものの、短時間で溶けてなくなり、脳への血流が再開します。
TIAの症状
TIAの症状で一番特徴的なのは、「一時的」であることです。例えば、突然体の片側だけに力が入りにくくなったり、視野の片側だけが急に見えにくくなったりして異変に気がつきます。しかし、しばらくするとその症状が完全に消えていつも通りに戻るのです。症状がみられるのは数分〜30分程度のことが多いようです。そのため、自分の体に明らかに異常が起きた事には気がつくものの、症状が消えてしまうので病院を受診せず放置してしまう方もおられます。しかしこのことが大きな問題なのです!
TIAと脳梗塞
TIAは脳梗塞の前兆です。TIAを発症してから48時間以内に重篤な脳梗塞が起こる危険性が高いことがわかっていて、TIAの発症から3ヶ月以内に6人に1人が脳梗塞を発症しているというデータがあるのです。そのため、TIAの症状を短時間で治ったからといって放置するのはとても危険です。日中であればすぐに病院を受診しましょう。また、夜に発症した場合でも次の日まで待つのではなく、救急外来を受診することを躊躇してはいけません。
TIAの落とし穴
TIAの症状は一時的であるため、「ちょっと疲れていただけかな」「すぐに治ったから大丈夫」「少し様子をみよう」「気のせいだったのかな」などと、自分の判断で大したことがないと決めつけてしまうことが一番の問題点です。TIAが起きたにも関わらず、それを放置してしまった場合にはもっと重篤な、脳梗塞を起こしてしまうリスクが非常に高いのです。
TIAかも?と思ったら…
この記事で紹介したような、TIAの症状が起きた場合にFASTという方法で簡易的にチェックすることができます。FASTは顔(Face)の麻痺、腕(Arm)の麻痺、言葉(Speech)への影響をチェックし、1つでも当てはまる場合には脳梗塞の可能性が高いため、すぐに救急車を呼びましょう(Time)というチェック方法です。
TIAの時に覚えておきたいFAST
◉ Face
顔の片側だけに麻痺が起きていないかをチェックします
◉ Arm
片側の腕だけに麻痺がないかをチェックします
◉ Speech
言葉に影響が出ていないかをチェックします
◉ Time
F・A・Sのうち一つでもあてはまる場合には、時間との闘いです
すぐに医療機関を受診するか、救急車を呼びましょう。
まとめ
TIAの症状は一時的ではありますが、実際に起きているのは脳梗塞と同じことです。症状がすぐに治ったから大丈夫と過信せず、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。特に生活習慣病で治療中の方はリスクが高いことを自覚して、TIAを疑う症状が出た後には必ず受診すべきです。疑わしい症状があればFASTチェックをして1つでも当てはまれば受診することで、脳梗塞を予防できる可能性もあるのです。万が一放置して、より重篤な脳梗塞を発症してしまった場合、運動障害や言語障害が残ってしまい、その後の生活が大きく変わってしまうのです。
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