脳卒中のこと
2025.06.16
【理学療法士が解説】脳梗塞退院後に一度はみるべき! 生活のための総合ガイド(前編)
リハビリ ZONE 岐阜の松田裕之です。私はこれまで、理学療法士・介護福祉士として、医療・介護の現場で長年リハビリテーションに携わり、脳卒中を経験された多くの方々と、そのご家族の生活に寄り添いながら、退院後の支援や生活再建に取り組んできました。「退院してからが本当のリハビリのスタート」とよく言われますが、まさにその通りで、生活の中には多くの“壁”や“つまずき”が潜んでいます。今回の記事では、脳梗塞を乗り越えて退院された方が、より安心して、より豊かに暮らしていくためのポイントを、現場での経験を交えてわかりやすくお伝えしていきます。これから先の生活に不安をお持ちの方や、そのご家族の方は是非ご覧ください。
目次
はじめに
脳梗塞での入院生活を経て、無事に退院できたことは大きな前進です。ただし、ここから始まる日々もまた、しっかりと向き合うべき「第二のステージ」だということをご存知でしょうか。
退院後は、再発を防ぐための体調管理や、リハビリを継続していくことがとても大切です。体調の変化に気づき、必要なサポートを得ながら生活していくには、正しい知識と備えが必要不可欠です。このガイドでは、退院後に起こりうる体調や生活の変化、活用できる制度、リハビリの方法などを、できるだけわかりやすくまとめました。内容はご本人だけでなく、ご家族や支援に関わる方々にも役立つように構成しています。
これからの生活を安心して送るための“道しるべ”として、ぜひお読みいただき、ご自身のペースで取り入れていってください。
脳梗塞退院後の経過と日常生活の変化
退院して家に戻ると、「いつもの生活に戻れた」と感じる方も多いかもしれません。けれども、脳梗塞を経験したあとの体や心は、目には見えにくい変化を抱えていることがあります。
たとえば、以前よりも疲れやすくなったり、少し動いただけで息が上がったりすることは珍しくありません。これは、病気によるダメージに加え、入院中の安静生活で筋力や体力が低下していることが関係しています。特に、家事や散歩など今まで普通にできていたことが、思いのほか負担に感じられるようになることがあります。
また、脳の一部がダメージを受けている場合、注意力が続かなかったり、物事に集中しづらくなったりすることがあります。そうした変化は、ご本人が一番敏感に気づく部分でもあり、同時に生活の中で思わぬ事故や再発のリスクにつながることもあるため、早めの対処が必要です。「なんとなく前と違うな」と感じたら、それを無視せず、主治医や家族、介護スタッフと小まめに話し合っていきましょう。本人だけで悩まず、周りと一緒に見守りながら調整していくことが、安心して日々を送るための第一歩になります。
さらに重要なのは、退院後の一定期間は、再発リスクが高まる時期であるということ。無理に元の生活リズムに戻そうとせず、まずは今の体の状態を知り、それに合わせた生活ペースを整えることが大切です。定期的な診察や血圧測定、必要に応じた医療機関への相談など、「いつでも相談できる」環境を整えておくことが、安心感にもつながります
退院後のリハビリテーションの重要性
退院を迎えたからといって、脳梗塞の影響がすべて解消されたわけではありません。実はここからが、リハビリの「本番」といっても過言ではないのです。
脳梗塞による影響や後遺症の程度は人それぞれで、麻痺や感覚の鈍さ、バランスの崩れなど、身体に残る症状も異なります。だからこそ、その方に合った方法で、継続的にリハビリを行っていくことがとても大切になります。リハビリは、退院直後の“元に戻す”ための作業ではなく、「今の状態からより良くなる」ための習慣です。特に、退院後しばらくのあいだは、獲得した運動機能や生活動作を維持・向上させるための大切な時間となります。
たとえば、腕や脚に麻痺が残っている場合、「どんな動きをすればよいか」「どうすれば安全に動けるのか」といったことを改めて身体に覚えさせる必要があります。こうした“再学習”は、すぐに結果が出るものではありません。毎日の積み重ねが少しずつ身を結びます。
そして、リハビリは本人だけの努力で完結するものではありません。ご家族や介護者が声をかけ、生活の中で応援していくことが、心の支えにもなり、結果として機能回復のスピードにも良い影響を与えます。「一緒に頑張ろう」と寄り添ってくれる存在がいることは、何よりの力になります。家庭でも、無理なくリハビリを続けられるように工夫しながら、周囲のサポートと連携して取り組んでいきましょう。
急性期から回復期へ:リハビリの流れと期間
脳梗塞のリハビリは、一気にゴールを目指すものではなく、段階を踏んで進んでいく長いプロセスです。その流れを理解しておくことで、「いま自分がどの時期にいて、どんな目標を持てばいいのか」が見えてきます。
一般的に、脳梗塞後のリハビリは大きく分けて3つの段階に分かれます。まずは「急性期」。これは発症直後の状態が不安定な時期で、命を守る治療が最優先されるフェーズです。この時期でも、できる範囲でリハビリは始まっており、たとえば寝たきりを防ぐための関節運動や、簡単な動作訓練が少しずつ取り入れられます。
次に来るのが「回復期」。これは病状が落ち着いたあと、機能回復を本格的に目指す段階です。失われた動きや言葉の力を取り戻すために、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職と一緒に、集中的なリハビリを行います。多くの方にとって、この回復期が入院生活の中心になります。
そして、退院後に入るのが「維持期」です。ここでよくある誤解が、「退院した=もう治った」という認識。しかし実際は、まだまだ体の機能は完全には戻っていない方がほとんどです。だからこそ、維持期でもリハビリは継続が必要。自宅や施設でのトレーニング、訪問リハビリやデイケアなど、暮らしの中で行うリハビリが、今後の生活を支えていく基盤となります。
この3つのステージを知り、それぞれの時期に応じた取り組みを続けることが、「できることを少しでも増やす」「今の状態をなるべく保つ」ための鍵となります。
在宅リハビリで押さえておきたいポイント
病院を退院したあとも、リハビリはまだまだ続きます。特に「在宅リハビリ」は、日々の暮らしのなかにリハビリを組み込むスタイルです。毎日の積み重ねが未来につながるからこそ、無理なく、けれども確実に取り組んでいきたいですね。
まず大切なのは、「できることから始める」こと。たとえば、家の中で数分だけ歩く、イスに座って体を伸ばす、階段を1段だけ上ってみる…そんな些細なことでも、立派なリハビリです。また、可能であれば短時間の散歩や、椅子に座ったまま行える体操などを取り入れて、少しずつ運動量を増やしていくことが理想です。ポイントは、「がんばりすぎないこと」。少し疲れたら休む、その繰り返しで十分です。
在宅リハビリでは、ご家族の見守りや声かけも大きな力になります。正しい姿勢や動き方を意識するだけで効果が大きく変わるため、ときには訪問リハビリや訪問看護の力を借りることもおすすめです。専門家の視点で、「今どこを意識するといいか」「どんな動きが危険か」などを教えてもらえます。
さらに、家の環境も見直しておきましょう。たとえば段差が多い場所は転倒リスクが高まるため、スロープや手すりの設置で安全性が高まります。よく通る場所の整理整頓や、滑りにくいマットの使用なども、リハビリを安心して続けるための大事な工夫です。「家の中が安全で動きやすい」と感じられることが、在宅リハビリの成功につながります。頑張る場は病院の中だけではありません。毎日の生活こそが、あなたの“リハビリの舞台”なのです。
リハビリが効果的な期間
リハビリをしていると、「いつまで続けたらいいの?」「今のままで意味あるのかな…」と感じることもあるかもしれません。実は、リハビリには“特に効果が出やすい時期”があるといわれています。
一般的に、脳梗塞を発症してから約3か月〜6か月の間は、脳の神経ネットワークが再編成されやすく、身体の回復力も高まっている時期です。この時期に集中的にリハビリに取り組むことで、動きや感覚がぐんと改善される可能性が高くなります。しかしながら、「その期間を過ぎたらもう遅い」というわけではありません。人の体は、継続して刺激を与えれば、少しずつでも応えてくれます。焦らず、今の自分に合ったペースで取り組むことがなによりも大切です。
むしろ、6か月以降の「がんばり方」が、その後の生活の質を左右することもあります。体力や筋力、日常生活のスキルなどは、意識的に使っていかないとどんどん衰えてしまいます。だからこそ、無理のない形でリハビリを生活の一部として取り入れていくことが重要です。
ただし、保険制度の関係で、病院で受けられるリハビリには時間的な制限があります。たとえば入院中のリハビリは最長で180日程度まで、というルールが設けられている場合もあります。主治医やケアマネジャーと相談しながら、保険で受けられる期間を最大限に活用し、その後のプランも視野に入れて取り組むことが大切です。
保険を使うリハビリと使わないリハビリの違い
退院後もリハビリを続けたいと思ったとき、実は方法はいくつもあります。大きく分けると、「公的保険が適用されるリハビリ」と「自費で行うリハビリ」があります。それぞれに特徴があるので、ご自身の状況に合ったものを上手に選んでいくことが大切です。ここでは、それぞれの特徴を整理しながら、どう選べばよいかをわかりやすくご紹介します。
保険を使ったリハビリ
公的保険を使ったリハビリ医療保険(健康保険)や介護保険を利用する場合、一定のルールに沿ってリハビリが行われます。たとえば「1週間に何回まで」「発症から何日以内」など、制度ごとに明確な制限があります。
この制度のメリットは、費用負担が軽く、制度の枠内であれば安定してリハビリが継続できること。とくに退院直後は、こうした保険をうまく活用することで、機能の回復を支える大きな助けになります。
<公的保険を使ったリハビリ>
健康保険や介護保険を使う場合、病院やリハビリ施設での訓練が、一定の条件のもとで受けられます。ただし、日数や頻度に制限があることがほとんどです。「週に◯回まで」と決められていたり、「発症から◯日以内まで」といったルールがあるため、その範囲内でどう活用するかがカギになります。
自費でのリハビリ
<自費で受けるリハビリ>
一方で、自費リハビリは自由度が高く、時間や内容に制限がないのがメリットです。たとえば、マンツーマンでしっかりと時間をかけてトレーニングしてくれる施設や、最新の機器や技術を使ったリハビリプログラムもあります。
ただし、こちらは費用負担が大きくなる場合が多いため、事前にしっかりと料金体系やサービス内容を確認しておくことが重要です。
理想的なのは、公的保険を使ったリハビリと、自費リハビリをうまく組み合わせることです。たとえば、日中は訪問リハビリで機能訓練を行い、週末は自費のプログラムで集中トレーニングを受ける、といった活用方法もあります。
また、リハビリというと「運動療法」だけを思い浮かべがちですが、鍼灸やマッサージ、音楽療法やアロマなど、心身の回復を支える多彩な手法も存在します。大切なのは、自分の症状や希望に合った方法を見つけること。まずは主治医やケアマネジャー、リハビリ専門職に相談しながら、自分らしく続けられるスタイルを一緒に考えていきましょう。
自費リハビリの特徴
自費リハビリには、時間や回数、内容の制限がありません。完全マンツーマンでの対応や、最新機器を用いたトレーニングなど、より専門的で手厚い支援を受けられる場合も多くなります。
たとえば、「もっと積極的に動きたい」「保険リハビリだけでは物足りない」と感じる方には、自費のリハビリが力強い選択肢になるでしょう。ただし、保険が使えないため、費用はすべて自己負担になります。1回あたりの料金や継続したときの総額などを事前に確認して、無理のない範囲で検討することが大切です。
〜組み合わせて最大限の効果を〜
理想は、「保険内のリハビリで基本を整えつつ、自費リハビリでさらに深めていく」スタイルです。両方をうまく活用することで、それぞれの良さを引き出しながら、より納得のいく回復を目指せます。ご自身の体調やリハビリの目的、経済状況をふまえながら、医療者や支援者と相談して最適なバランスを探ってみてください。
保険が適応されるリハビリ期間
たとえば、脳梗塞のあと入院して行う「回復期リハビリ」は、健康保険が適用される期間が決まっています。多くの場合、発症から最大180日(約6か月)という期限が設けられており、その期間を過ぎると自動的に保険でのリハビリが終了するケースもあります。この期間を超えても改善の余地が認められれば、再度延長できる場合もありますが、医師の診断や保険者との擦り合わせが必要です。
自宅での訪問リハビリや通所リハビリも介護保険が適用される制度があるため、早めにケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーに相談し、必要な手続きを進めることが大切です。
介護保険で受ける在宅リハビリ
退院後に自宅で行う訪問リハビリや、通所リハビリ(デイケア)には介護保険が使えます。こちらは要介護認定を受けていることが前提で、利用できるサービスの回数や内容は、介護度やケアプランによって異なります。
早めにケアマネジャーと相談し、自分の状態に合ったプランを立てることで、スムーズに必要なサービスを受けることができます。
自費リハビリのメリット
「まだリハビリが必要なのに、制度の枠で受けられなくなった…」と感じる方もいるかもしれません。そんなときこそ、自費リハビリや地域の支援制度など、他の選択肢に目を向けることも大切です。保険のルールを正しく理解し、それに合った対策を立てることで、より安心してリハビリを続けることができます。
自費で受けるリハビリには、時間や回数に制限がありません。自分のペースに合わせて、より集中したトレーニングができるのが最大の魅力です。たとえば、完全マンツーマンでの個別対応や、より専門性の高いアプローチを行ってくれる施設もあります。目標に合わせて、きめ細やかなサポートが受けられるのは、自費ならではの強みといえるでしょう。
また、最新のリハビリ機器や、AIを活用した動作解析など、先進的な技術を取り入れているところもあり、「今の自分に合った方法」を柔軟に選べる点も魅力です。さらに、自費リハビリの中には、鍼灸やマッサージなどの代替療法を取り入れたプログラムもあります。これらは筋緊張の緩和や血流促進などに効果があるとされており、身体の回復をより多面的に支えることができます。
身体だけでなく、心のケアを意識したメニューを提供する施設もあり、「リハビリ=がんばるだけの時間」というイメージを、少し変えてくれるかもしれません。
自費リハビリで注意したいこと
もちろん、自費で行うため、費用はすべて自己負担となります。1回の金額だけでなく、継続した場合にどれくらいかかるのかも事前にしっかり確認しておくことが大切です。
また、「なんとなく良さそう」で選ぶのではなく、「どんな目的のために、自分はどこを改善したいのか?」を明確にしてから取り組むことが、満足のいく結果につながります。ご自身がリハビリをする目的や達成したい目標を定めないままにリハビリを行うと、費用対効果を十分に引き出せないという結果になってしまうかもしれません。
リハビリ以外の方法
「リハビリ」と聞くと、多くの方が「動く訓練」や「運動療法」を思い浮かべるかもしれません。でも、脳梗塞の回復には、もう少し幅広い視点も大切です。ここでは、リハビリを補い、体と心を整える“もうひとつの選択肢”をご紹介します。
鍼灸・マッサージ
麻痺や緊張が強く出ている方にとって、鍼灸やマッサージといった施術は、筋肉をほぐしたり、血流を促したりする効果が期待されます。こうした方法は、痛みやこわばりの緩和を助け、通常の運動リハビリではアプローチしにくい部分を支えてくれる存在です。
「体が動かしやすくなった」「リハビリの効率が良くなった」という声も多く、リハビリと組み合わせて利用する方も増えています。
心を整えるケア
心の不調は、身体のリハビリにも影響を与えることがあります。そんなときは、音楽療法やアロマテラピーといった“リラクゼーション的アプローチ”を取り入れてみるのも一つの方法です。
心地よい音や香りがもたらすリラックス効果は、ストレスの軽減や睡眠の質の向上にもつながります。「なんだか心が落ち着いた」と感じることが、結果的に生活全体の質を高めてくれるのです。
安全に行うために
ただし、これらの方法はあくまで“補完的”な位置づけです。間違った方法で行うと、かえって状態を悪化させることもあるため、主治医やリハビリの専門職と相談しながら取り入れていくことが大切です。どんな方法であれ、「その人に合ったやり方」を見つけていくことが回復の近道になります。
後遺症と向き合う:症状別に見る改善と対処法
脳梗塞の回復には個人差があり、後遺症の出方も人それぞれです。「いつまでに元通りになるか」は誰にも断言できませんが、「今できること」を一歩ずつ積み重ねることで、前に進むことはできます。ここでは、よく見られる後遺症のタイプと、その対応のポイントをご紹介します。
運動障害:手足がうまく動かない
片麻痺や筋力の低下による運動障害は、脳梗塞の後遺症として非常に多く見られます。特に歩行や日常生活の動作が難しくなると、外出や家事にも支障が出てきます。
リハビリの初期段階では、歩行補助具や装具を活用しながら、少しずつ体のバランスを整えていきます。正しい姿勢や動作のパターンを身体に覚えさせることが、転倒予防やスムーズな動作につながります。バランスの取り方や重心の移動を再学習することで、徐々に安定した動作ができるようになります。「いきなり長時間頑張る」よりも、「短時間でも、毎日少しずつ続ける」がポイントです。
「歩くこと」は、全身のバランスや筋力を必要とするため、慎重なトレーニングが求められます。専門家のサポートを受けながら、最初は短距離の歩行や立ち上がり練習など、小さな動作から始めましょう。
上肢(腕や手)のリハビリでは、食事や着替えといった日常動作を想定した練習が効果的です。繰り返し動かすことで神経と筋肉の連携が再構築され、動かしやすくなる可能性が高まります。自宅でも、ちょっとした動作を意識することでリハビリの効果が上がります。たとえば、テーブルを拭く動作や、ペットボトルのフタを開ける練習など、生活の中でできることを取り入れてみましょう。
何よりも大切なのは、「できた!」という成功体験を積み重ねること。それが自信につながり、リハビリの継続意欲にもなります。
言語障害・構音障害:うまく伝えられない
うまく言葉が出てこなかったり、発音が聞き取りづらくなったりする「失語症」や「構音障害」は周囲とのやりとりがぎこちなくなるケースも少なくありません。ご本人にもご家族にも大きなストレスを与える症状のひとつです。言語聴覚士(ST)による専門的な訓練を受けることが最も効果的ですが、日常生活の中でもできる工夫はたくさんあります。
たとえば、筆談やジェスチャー、表情のやりとりを通じて意思疎通をサポートすることで、コミュニケーションの負担を減らすことができます。焦らず、根気よく、そして温かい気持ちで関わっていくことが大切です。
「話せないから」といって話す機会が減ってしまうと、さらにコミュニケーション力が低下してしまうことがあります。うなずく、指差す、笑うといった“ちいさな表現”も大切にしながら、日常の中で「伝える・伝わる」時間を少しでも多く持つようにしましょう。周囲の人が「わかりやすく聞き取ろう」とする姿勢や、じっくり待つ余裕も、本人にとっては大きな励みになります。
高次脳機能障害へのサポートと生活工夫
高次脳機能障害とは、記憶、注意、判断、感情のコントロールなど、“心の動き”に関わる機能が損なわれる症状のことです。これらの記憶力の低下、注意力の散漫、段取りの難しさなどの症状は見た目ではわからないため、本人も周囲も戸惑いやすい後遺症です。この場合は、生活の中でサポートする工夫がカギになります。やることを紙に書き出す、予定をアラームで知らせる、部屋に目印をつける、順番を一緒に確認する…といった小さな工夫が、安心して生活するための助けになります。
また、家族や周囲の理解も非常に重要です。本人を責めたり、無理にできることを増やそうとせず、「今できていること」に目を向けて支える姿勢が、回復につながる大きな力になります。
後編に続く
このあとの章では、再発予防のための生活習慣や支援制度など、生活を支える視点を中心とした内容になっております。是非ご覧になってください。
リハビリZONE岐阜では、『今よりもっと楽しい未来へ』を合言葉に、最先端の機器と専門的な技術・知識を駆使してあなたの回復を最大限サポートいたします。
リハビリは 「できることを増やし、次の目標に向かう挑戦の連続」 でもあります。私たちは、利用者様が 「もう変わらない」「限界かな」 と諦めるのではなく、「もっと良くなる」 という前向きな気持ちでリハビリに取り組めるよう、全力でサポートしていきます。
是非一度、体験リハビリを受けてみてください!スタッフ一同心よりお待ちしております。
お問い合わせ先
058-201-1356
営業時間
月-土 10:00-18:00
定休日
日曜日