脳卒中のこと
2024.05.30
脳梗塞の症状を知ろう-大脳 (側頭葉)編-
大脳の「前頭葉」「側頭葉」「頭頂葉」「後頭葉」という4つの部位のうち、側頭葉の役割と損傷された時に起こり得る症状について解説します。
側頭葉とは
側頭葉は、左右で異なる役割を担っているのが特徴です。人には利き手があるように、脳にも”使いやすい側”というのがあるようです。(優位半球といいます) 多くの人は、左が”利き脳”であることがわかっています。
側頭葉は大脳の両側にあります。(下図の緑色〜黄緑色の部分)です。側頭葉には聴覚・嗅覚・記憶などの中枢に加え、ウェルニッケ中枢と呼ばれる部位などがあります。
左の側頭葉が損傷すると…
左側の側頭葉には言葉を理解する部位があります。そのため、左の側頭葉が障害をうけると、言葉はスラスラと出てくるのに単語を思い出せないので、会話の中で具体的な名前ではなく、”あれ”とか”それ”といった代名詞を多く使うようになり、「錯語」「錯読」などの症状がみられます。また、簡単な言葉の意味がわからなくなってしまうなどの症状もみられます。(感覚性失語)
右の側頭葉が損傷すると…
右側の側頭葉には、音や形の記憶をしたり、現在自分自身が置かれている環境や状況を認識したりする機能(見当識)があるため、右の側頭葉が障害を受けると音は聞こえていても言葉としては理解できない、自分がおかれている状況がわからない(見当識障害)などといった症状が生じます。
ウェルニッケ中枢
ウェルニッケというのは、ドイツ人の脳科学者の名前に由来します。側頭葉のこの部位が障害されると、”感覚性失語“という特有の失語症になることを発見しました。
この部位が障害されると、他人の言葉を理解することができなくなってしまいます。また、自分で話をするときは、自然な発音やリズム、正しい文法で話ができるのですが、内容がムチャクチャになってしまいます。これは話している本人が、本来はわかっているハズなのに本人の意志に反して誤った言葉が出てしまう状態にあるからです(感覚性失語)。例えば、「今日の夜はご飯を食べたい」と言いたいのに、「明日の夜は椅子を食べたい」などといったように、意図している内容とは違った言葉が出てしまうのです。話ぶりはとても自然なので流暢性失語という表現されることもあります。
ブローカ失語とウェルニッケ失語の違い
それぞれの違いを一言でわかりやすく表現すると
・ブローカ失語
:言葉がうまく言えない(書けない)
・ウェルニッケ失語
:思っているものと全く違う単語が出てしまう
というイメージです。
ブローカ失語ではことばを出力するのが困難になります。本人が言葉を発しようと思っても、思い通りに言葉にならない、といった症状が出ます。自分が発したい言葉だけでなく、聞いた事をそのまま言葉にする(復唱)や文字を読んで言葉にする(音読)などでもうまく言葉を出力できません。言葉が全くわからないのではなく、音の一部を間違えるパターンが多いようです。(例:財布「サイフ」→「タイフ」)
ウェルニッケ失語では話はとても流暢にできるけれど、話の中に出てくる単語を他の単語と言い間違えてしまう、といった症状が出ます。そのため、本人が話をしている内容を聞いている人達が正しく理解するのが難しいのです。また、聞いた言語を正しく理解する事も障害されてしまうため、話はしているけれども会話が成立しない状態になってしまいます。
まとめ
大脳の側頭葉という部位が障害を受けた時にみられる症状に注目してまとめました。普段何気なく話している言葉は、脳の様々な部位が複雑に関与し、多くのネットワークを介しているため一部に問題が起きると、うまく機能しなくなってしまうことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
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