脳卒中のこと
2024.06.04
心原性脳塞栓症ってどんな病気?
脳梗塞は心原性脳塞栓(そくせん)症、アテローム血栓性(けっせんせい)脳梗塞、ラクナ梗塞の3つのタイプに分けられ、それぞれ原因や重症度、治療方法異なります。この記事では一度発症すると命に関わることもある、心原性脳塞栓症について解説します。
心原性脳塞栓症とは?
心原性脳塞栓症は脳梗塞の原因の約3割(27.7%)を占めます。心臓でできた血の塊(血栓)が動脈の血流にのり脳に流れてきた時に、血管を詰まらせてしまうことがあります。この状態を心原性脳塞栓症といいます。大きな血栓が突然飛んできて太い血管が詰まってしまう事が多いのが特徴です。太い血管が詰まる分、他の脳梗塞と比べても脳の広い範囲にダメージを受ける事が多いため、重症になりやすく、死亡率も高くなります。そのため、”ノックアウト型脳梗塞“と呼ばれることもあります。
心原性脳塞栓症になるとどうなる?
心原性脳塞栓症は、ある日突然症状が出て重篤な後遺症を残します。発症してしまった場合、約1割の方は亡くなってしまいます。一命を取り留めたとしても、半分ぐらいの方は寝てきりになってしまったり、車椅子での生活を余儀なくされてしまったりするなど、脳梗塞を発症した日を境に、その後の生活が大きく変わってしまいます。治療のための医療費ももちろん必要ですし、自宅に退院後、あるいは施設に入所後の介護費用も負担になってきます。リハビリをする事で失われた機能の一部を改善したり、他の機能で補ったり(代償)したりできるようにはなりますが、それでも元通りの生活に戻ることはできません。
心原性脳塞栓症の原因は?
心原性脳塞栓症は、脳の太い血管に血栓が詰まる事で発症しますが、そもそもなぜ血栓ができてしまうのでしょうか?心臓に血栓ができる原因としては、4つある心臓の部屋を区切っている”弁”の機能に異常をきたす「心臓弁膜症」や、心臓の中で血流の淀みを生じる「心房細動」という病気が知られています。心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしているため、力強く膨らんだり、縮んだり、という動作を1分間に60回程度収縮を繰り返しています。しかし、心房細動という病気になると、心臓が小刻みに震えているような状態になるため、心臓のポンプとしての役割が十分に果たせなくなります。そのため、心臓の左心室という部屋の中で血流が停滞し、結果的に血液が固まって血栓ができるのです。この血栓が心臓から出て脳に流れて血管を詰まらせた時に脳梗塞を発症するのです。
心原性脳塞栓症の予防方法は?
一番大切なのは原因となる心房細動や心臓弁膜症を早期に発見する事です。心房細動の自覚症状は胸がドキドキする、胸苦しさがある、息切れをするなど、他の病気でもよくみられるようなものばかりです。残念ながら「この症状があったら心房細動を疑う」という特徴的なものはありません。そのため、毎年健康診断を受けたり人間ドックで調べたりするように心がけましょう。健康診断での心電図検査で異常が見つかることもありますが、心房細動の症状が常にあるわけではなく、一過性の場合もあるため、何か違和感を感じたら病院を受診し心臓の超音波検査や24時間心電図を装着する「ホルター心電図」での詳しい検査を受けることをお勧めします。その場合は「循環器内科」を専門としている医師の診察を受けると良いでしょう。いきなり大きな病院を受診できない場合もありますので、その際は、かかりつけ医に相談して紹介状を書いてもらうなどするとスムーズに受診ができると思います。
万が一心房細動と診断された場合には、血液が淀んで血栓ができることを予防するために血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲むことになります。最近では心房細動の原因となっている心臓の一部を電気で焼いて根本的に治療するという「アブレーション治療」というものもあります。また、夏に限らず冬でも脱水になると血液が固まりやすくなってしまうので、常に水分の摂取を心がけるようにしましょう。
まとめ
<心原性脳塞栓症の特徴>
◉ 突然発症する
◉ 梗塞巣が大きくなりやすい
◉ 重症化しやすい
心原性脳塞栓症は、一度発症してしまうとその後の生活が一変する病気です。しかし、日頃から自分の身体のチェックをしたりメンテナンスをしたりすることで、心原性脳塞栓症の原因となる心房細動などの病気を早期に発見して治療することが可能です。まずは健康診断を受けたり、かかりつけ医に気軽に相談することから始めましょう。
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