脳卒中のこと
2024.07.09
脳梗塞を予測する!?ABCD2スコア
過去の記事で一過性脳虚血発作(TIA)を疑った時に行うFAST(ファスト)検査について解説しました。今回は、FAST検査によって実際にTIAかもしれないと疑い、病院を受診した後のお話しです。TIAを疑い、医療機関を受診すると、以下のような検査を行います。
<MRI>
頭MRI検査で脳梗塞の有無を確認します。MRA検査といって特殊なMRI検査を行うことで、頭の中の血管を詳しく映し出します。
<CT>
CTでも脳梗塞がわかることもありますが、どちらかというと脳出血・くも膜下出血などをみることに長けています。3D-CTAといって、CTで得たデータをもとに、血管の狭窄部位などを描出することができる検査もあります。これらの検査では造影剤を使うことでより鮮明な画像が作られます。
<エコー>
特に頚動脈という、首の太い動脈のエコー検査を行います。この検査では血管の壁の厚さと血液が流れている部分をそれぞれ計測して、血管がどの程度狭窄しているかを評価したり、動脈硬化の程度を調べたり、血栓の有無を確認したりすることが可能です。
<心電図>
心電図は、体表につけた電極を通して心臓の電気信号を記録する装置です。通常はリズム良く動いているはずの心臓がうまく機能せず、ただ細かく震えているだけになってしまっている”心房細動”という病気があります。心房細動では脳梗塞のリスクが高くなるため、心臓の病気の有無を確認することは非常に大切です。
<ABCD2スコア>
これは検査ではありませんが、TIA発症後に脳梗塞を発症するリスク評価する方法です。ABCD2スコアはA(Age・年齢)、B(Blood pressure・血圧)、C(Clinical features・症状)、D(Duration・症状の持続時間 / Diabetes・糖尿病)の5つの評価項目の頭文字をとったものです。Dの項目が2つあるので”D2“という風に記載されています。
それぞれの項目が点数化されていて、ABCD2スコアが4点以上の場合は入院して治療を行う必要があります。それだけでなく、TIAを1週間以内に何度も繰り返している場合や、画像検査で脳梗塞がみつかった場合、心電図検査で心房細動がある場合にも入院治療が必要です。
ABCD2スコア
Age(年齢)
・60歳以上→1点
Blood pressure(血圧)
・収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上→1点
Clinical features(症状)
・片側の脱力→2点、脱力を伴わない言語障害→1点、その他→0点
Duration(持続時間)
・60分以上→2点、10〜59分→1点、10分未満→0点
Diabetes(糖尿病)
・糖尿病がある→1点
上記の点数を合計して評価する。
まとめ
いかがでしたか?TIAを疑った時に実際に病院で行われる検査や、入院する必要があるかどうかを判断するための「ABCD2スコア」をご紹介しました。これらの判断は基本的に医師が行うものではありますが、とても大切な内容なので是非このような評価方法があることを知っておいてください。万が一、TIAを発症した場合にはご自身のリスクを評価するのにも役立つと思います。
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