脳卒中のこと
2024.07.03
脳梗塞かも?と思った時に使える10個のチェックリスト
脳梗塞の症状として代表的なものに、「身体の片側だけが動かなくなる」「ろれつが回らなくなる」などがあります。それ以外にも脳梗塞を疑う症状があるのをご存知でしょうか?万が一脳梗塞になってしまった場合には、できるだけ早く診断して早く治療を開始するなど、迅速に対応することで、後遺症を軽減できる可能性があります。
今回は脳梗塞に特徴的な症状を10個紹介します。ご自身だけでなく、周りの方が「もしかして脳梗塞?」と疑った場合にはこのチェックリストを確認してみてください。これらの症状が1つでもあるから脳梗塞と診断できるわけではないですし、複数当てはまっても脳梗塞ではないこともありますが、病院を受診するかどうかの判断材料にしていただくことはできると思います。
目次
1. 体の片側に力が入らない
運動障害による“片麻痺“と呼ばれる脳梗塞の中で最も典型的な症状です。文字通り、体の”片側”だけに麻痺が起きます。麻痺が起こる部位は、障害された脳の場所によって異なりますが、腕や脚だけでなく、顔にも症状が出ることがあります。片側だけが動かなくなったり、力が入らなくなったりするため、麻痺の程度が重度であればすぐに気がつくことができますが、軽度の麻痺の場合、「なぜか箸を落としてしまう」、「なんとなく歩きにくい」「口から水がこぼれる」「笑顔が左右対称でない」等といった事がはじめの症状として現れることもあります。
2. 体の片側がしびれる
感覚障害といって、触っていること(触覚)・痛み(痛覚)・冷たい/熱い(温覚)などに障害がでます。これらも運動障害と同様に脳梗塞の中では多くみられる典型的な症状です。運動麻痺と同様に左右のどちらか一方だけがしびれたり、感覚が鈍くなっている様に感じたりします。手足の片側のしびれは、頚椎症や脊柱管狭窄症などの脊髄の障害でも起こるため、この症状だけを理由に脳梗塞と断定することはできません。これらの整形外科的な病気との見分け方としては、しびれや感覚障害が「突然起きたか」という点です。これまでに感じたことのないしびれが突然起きた場合は脳梗塞を疑う必要があります。(もちろん突然しびれが出た=脳梗塞、というわけではありませんが…)
3. ろれつが回らない
会話をしていて相手の言っていることは理解できるのに、自分自身はろれつが回らなかったり、舌がもつれたりして上手く話せなくなる、といった症状がみられる事があります。これは顔面の麻痺が原因で、舌や唇を動かす筋肉の運動障害によって起こる症状です。“突然ろれつが回らなくなる” という症状は、他の病気ではなかなか起きないので、自分が話をしている相手に、自分が何を言っているのか理解してもらえない場合には脳梗塞の可能性を強く疑います。
4. 言葉が理解できない
言語障害のひとつで、「失語症」と呼ばれる症状です。言語中枢という、脳の中の言葉を処理する部分が障害されると、「頭の中では考えられているけれども思うように言葉が出てこない」「他の人が話していることを理解できない」などの症状が出現します。このような症状が突然みられた場合にも、脳梗塞を強く疑う必要があります。
5. 視野が半分なくなる
大脳の視覚中枢という場所が障害されると、片側の目だけが見えなくなったり、場合によっては両方の目が見えにくくなったりすることがあります。また、視界の右または左半分だけが欠けてしまう(視野欠損)という症状が出ることもあります。見えにくさに気がついた時は、目を片方ずつ覆ってそれぞれの目でどのように見えているかを確認しましょう。
6. ものが二重にみえる
目を動かすための筋肉が麻痺をしてしまうと、ピントをうまく合わせる機能が低下しものが二重にみえる(複視)ようになります。両目でみた時にはものが二重になってぼやけて見えるのに、片方の目だけでみてみると普通に見える、といった現象が起こるため、ものが二重にみえるような気がする時には自分で確認してみるのが良いでしょう。
7. めまい・ふらつき
突然めまいが起きたり、バランス感覚がなくなって立っているのも難しくなることがあります。これは「運動失調」といって、運動機能の調整ができなくなることで起きる症状です。手足に力は入っていて踏ん張ったりすることはできるのに、なぜかふらふらして歩けない、うまく立てないといった現象が起こります。平衡感覚を司る小脳という部位に問題がある時に起こる症状です。
8. なんだか変
例えば認知症や活動性が低下しているご高齢の方の場合、脳梗塞を発症してもはっきりとした症状を感じられない、自分の異変を表現できない、といったことが起こります。その場合にはご家族や介護者などの周りの方が異変に気づくことが重要です。その時に役に立つのが「なんだか変」という直感です。もう少し具体的に説明すると、普段以上に眠そうにしているとか、目を閉じていてもいつもは呼びかければ反応するのに、ボーッとしていてすぐにまた目を閉じてしまうなどといった状態のことです。認知症の患者さんでもこれらの症状が一時的に起こることはありますが、普段接している方の違和感というのは実はとても大切な情報です。
9. 物を認識できない
視覚は問題ないため、目は見えているにも関わらず、目の前にある物を認識できない、というちょっと不思議な状態(半側空間無視)です。食事を片側半分だけ食べて、まだ半分は残っているのに全部食べたと認識してしまうといったことが起こります。
10. 道具が使えない
普段、生活の中で当たり前のように使っている箸、スプーン、歯ブラシ、クシなどの道具の使い方がわからなくなってしまったり、洋服の脱ぎ着の方法がわからなくなってしまったり(失行)することがあります。
チェックリストの使い方
これらの症状のうち、いくつかが突然に現れた場合、脳梗塞の可能性があります。特に顔、腕、言葉に異常が見られる場合は、速やかに医療機関に連絡し、緊急の対応を受けることが重要です。症状が軽度であっても、早期の診断と治療が後遺症を軽減する可能性があります。
最近では、脳梗塞になってもすぐに命の危険にさらされることは少なくなってきました。しかし、一度脳梗塞が起きてしまうと死んだ脳細胞が元に戻ることは困難です。つまり後遺症として手足が動かしにくくなる麻痺や、言葉をうまく理解したり操ったりすることができなくなる言語障害、人間らしさの根源ともいえる高度な理解や行動のコントロールを失う高次脳機能障害などが残ってしまうのです。
簡便な方法として、これら10個の症状のうち、該当する症状の数を数えてリスクを評価しても良いかもしれません。ただし、これらの症状はひとつあれば脳梗塞を強く疑うものもあれば、他の病気でもよくみられるものも含まれています。そのため、この方法はあくまで参考程度であり、実際の診断にはなりません。
症状の数によるリスク評価の例
◉ 0〜1症状: 低リスク(他の原因も考慮)
◉ 2〜3症状: 中程度のリスク(医師の診察を強く推奨)
◉ 4症状以上: 高リスク(すぐに医療機関を受診)
さらに、症状の数だけでなくあなた自身のリスクによっても脳梗塞である可能性の高さは変わってきます。例えば高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病で治療中の方であれば脳梗塞を発症するリスクは他の方よりも高いと考えるべきです。特に、以前に脳梗塞を発症したことのある方は高リスクですし、現在血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を内服している方も安心はできません。
まとめ
脳梗塞の特徴的な10の症状を紹介しました。上記の10個の症状のうち1つでも当てはまれば、脳梗塞の可能性があります。最終的には医療機関を受診して医師の診察を受け、CTやMRIでの精密検査を行うことで確定診断となります。脳梗塞は時間との戦いですので、少しでも疑わしい場合は医療機関を受診する、(場合によっては救急車を呼ぶ)などの対応をしてください。
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